情報収集の極意
店舗経営者にとって、スタッフとのミーティングは、最も重要性が高い仕事の一つです。スタッフの価値観を知る場として、経営者自身の思いを伝える場として、ざっくばらんな話で仲間意識を醸成する場として、人間関係を把握する場として、様々な情報を収集する場として本当に重要な「仕事」となります。
できれば経営者が月に1回はスタッフ全員とフェイストゥフェイスで話す時間を作り、信頼関係を積み重ねていくのがベストです。しかし、店舗数が増えるとなかなかその時間も取りづらくなってきます。そうなった時に「どう行動するか」で店舗の運命は決まります。
繁盛する店舗は間違いなくコミュニケーションが頻繁に行われています。月1回のミーティングは無理でも、何とか工夫をして、コミュニケーションの形を作っているのです。SNSやチャット、ビデオ通話アプリなどを使って、細やかなフォローを行い、「一人一人をしっかりと見ている」ことを明に暗に発信しているのです。
経営者の時間がないからと言って、店長だけ、マネージャーだけと話をすることは、あまりいい結果を生み出しません。特に人事評価や人間関係について、彼らに悪気はないのですが、自分たちに都合のいいように加工された情報となっている場合が多々あるからです。この点、経営者自らがスタッフ全員と顔を突き合わせて、直接的な「1次情報」を得ることは正しい経営判断にとって大きなプラスとなります。
人手不足の昨今、突然の退職は店舗にとって相当なダメージを与えます。前もって相談されていたにしても、人材を探すところから始めなければならず、かなりの負担がかかります。それが何の前触れもなく「今日までで」と言われると、経営者の方はわかると思いますが、しばらく絶望感に苛まれて、固まってしまいます。
そうならないためにも、スタッフとの日々のコミュニケーションは非常に重要です。面と向かったミーティングはスタッフの様々な兆候を知る機会でもあるのです。「将来何がしたいのか」「仕事で何が楽しいのか」「仕事を続ける気はあるのか」「誰と仲が良く、普段は何について話しているのか」… あまり細かく聞くと尋問になり、気持ちがられますので、自然な会話の中で感じ取ることがポイントです。
スタッフのことだけに限らず、経営で重視すべきは「人から聞いた情報」ではなく「自分の五感を使って直接集めた情報」です。もし現在できていなければ、今日、今から現場に行ってミーティングを行ってください。店舗は現場がすべてなのです。
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