社長が知っておくべき、社員が「仕事の意義」を自らの言葉で語る意義
イキイキ働く社員が育ち、働きがいのある職場環境づくり、活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、日ごろより人材育成に対する意識が高く、すでになんらかの取り組みを行っている企業の社長さんから様々な相談をお受しております。
また、弊社のコンサルティングは、社内のプロジェクトチームが率先して仕組みづくりを行うという方法を取っているのですが、職場環境改善は全従業員に関わることなので、仕組みの導入にあたっては、知識研修やワークショップのも積極的に実践しております。
先日は、「自分は何のために仕事をしているのか。」「誰を、どのような方法で幸せにしている仕事なのか。」を徹底的に考えもらうための導入ワークショップを実施しました。
今、企業のホームページには、企業理念やミッションが掲げられています。企業によっては、部署ごとに部署にミッションとして社外の公表されている場合もあります。
ですが、それを自分ごととした場合、「あなたは何のために働いているのですか?誰を、どんな方法で幸せにしていますか。」「誰にどのように貢献している仕事ですか。」と言われた時、さて即答できるでしょうか?
営業職の場合は、「お客様は誰ですか。」という場合に、すぐさま言語化することは比較的簡単かもしれません。ですが、研究開発や人事などの仕事に従事している場合、「お客様」の定義は様々に変化します。社内の従業員が「顧客」であるということもあるわけです。実際には、日々の業務に流されているため、じっくりと考えることがないというのが現実ではないでしょうか。
そのため、全社会議で社長自ら、自社のミッションについて語るですとか、朝礼で経営理念を唱和するということをやっている企業もありますが、これは「やり慣れて」しまうと、ほとんど効果がありません。自社のミッションを暗記することを課している企業もありますが、それが実際の日々の業務にどう息づいているのかを理解し、実践していなければ意味がないのです。
与えられた言葉で語っても効果がない
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先日のワークショップでも、多くの参加者が目を輝かせて、所属する部や課のミッション、自分の仕事のミッションをディスカッションしていました。その後、ディスカッションの内容を共有してもらうのですが、皆、イキイキとした表情で、「誰が顧客なのか、どんな方法で、どんな幸せを届けている仕事なのか」を話されました。自分の言葉で語るので、よりリアリティがあります。
その後は、自身の業務上における「強み」と「課題」についても棚卸しするというグループワークをしたのですが、「普段、一緒に働いている仲間にこんな話をしたことはなかった。」「自分の苦手なところを正直に伝えることが出来た。それに対して、有益なフィードバックをもらえて安心した。」などという感想が語られました。
このような中で、同時に、経営者が「自身の経営者としてのミッション」を語ることは、とてもインパクトがあります。社長が普段からどんな志をもって仕事に向き合っているのか、どうぞ熱く語ってください。経営者としての視点は理解されない場合もあるでしょうが、個人として、仕事に向き合う自身の価値観が何であるのか、社員には十分に伝わるでしょう。
自社のミッションを理解し、実践していく意識や環境を作りたいのならば、「自社は何のために存在しているのか」というミッションだけではなく、そのミッションを遂行するために、「自分は何のために働いているのか」という自分ごととして、社員一人ひとりが腹落ちする必要があるのです。
そのためのワークショップは短時間でもかまいませんが、定期的に実行することが重要なのです。毎回、コンサルタントや研修講師がいなければ出来ない内容でもありません。ぜひ定期的に「足元固め」をしてください。逆境にも負けない強固な団結力をもった組織づくりは、このように、普段からいかに「足元固め」をして体力をつけているかで決まるのです。
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