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クレーム対応の極意とは。

SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

先日、お会いしたある組織のリーダーと話をするうち「理不尽なクレームに悩まされている」という話題になりました。サービスの内容についてのクレームではなく、「上から目線の物言いが気に入らない」「馬鹿にされた」という類のクレームです。サービスや商品に明らかな瑕疵があれば、その点を詫びればいいのですが、この手のクレームは感情が絡んでいますので、理屈をとおしても一向に収まりません。 

クレームの専門家に聞けば「相手の怒りが収まるまでじっと相手のことを聞く」が常套手段のようです。「相手は言うだけ言えば、平静を取り戻し、こちらの言うことにも聞く耳を持ち始める」ようで、「同時に自分の理不尽さにも気がつき、だんだん気持ちが落ち着いてくる」ということですが、対応する方にもある程度のトレーニングと忍耐力が必要とされます。 

ES-CSチェーンの文脈で言えば、クレーム対応のマインドセットは、対峙するのではなく、同じ方向を向くことです。相手の怒りの対象となっている物事を一緒に解決するというスタンスで、こちらに向ける怒りの矛先を別の方向に向けることを促す、というわけです。 

たとえば以前聞いた話ですが「この会社はけしからん!社長を出せ!」と怒る方に対しては、「そうですよね、けしからんですよね。では社長の予定を調べてみます」といった感じで同じ方向を向きます。怒りに対して萎縮や恐れで対応するのではなく、共感と肯定で対応するのです。すると相手の心情にどんな変化が起こるか。想像してみると何となくわかります。 

これは実は平時にお客さんに対応するときも、社内で部下を指導するときも同じ原理が働きます。対峙して相手のやり方を変えさせようと力を加えるのではなく、相手が行きたい方向に力を添えながら自分の意向を伝えていくというやり方です。大きな力をかけずに人を動かす極意みたいなもので、上手な人はすごく上手にやられています。 

さて、冒頭で紹介したようなケースはクレーマーに近いもので、最近はあちこちで良く発生しているものではないかと思います。病的なものになるとカウンセリング的なスキルが必要になってきます。こういった例は別ですが、たいていのケースは、傾聴し、共感し、同じ方向を向く。そんなところから解決の糸口が見えてきます。

 

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