貴社は、あと何年会社を継続していきますか?
今週の提言
成長トレンド企業の経営者は、継続や継承を考え、その仕組みに自らが組み込まれない体制を整える。「ノープラン」などあり得ない。
コンサルティング開始後、しばらくしてからA社経営者と話した内容だが、「何故社長はいい車に乗るのか?」と言う、素朴な疑問から話は展開した。
少なくとも小規模で回し、社員を抱える会社の社長にとって、社長がいなくなることで会社がなくなるリスクはとても高い。また社員を路頭に迷わすことになるのである。
身近な所では交通事故だが、2018年の自動事故死亡者は3,532人に対し、航空機2名となっている。自動車事故は航空機事故の約1,766倍である
その為、自らの命を守るために選んでいくと、やはり「いい車」となっていくという話である。
どのくらい会社を継続させるのか
今回の論点は、端的にまとめると「命の保証は誰にも出来ない」というものであり、そのために、日常業務で乗る車は「命を守るもの」を選ぶのであるが、選んでいくと必然と「いい車」となる。
社員とその家族を路頭に迷わせないために、会社の継続が必要で、そのために社長はいなくならないように「いい車」に乗る。それは日常起こりうる不意の事故から身を守る、と言う意味ではそうかもしれない。しかし、多くの小規模企業における「会社の継続年数計画」は考えられていないものである。
例えば、
「あと10年で会社を畳むのか」
「売りに出すのか」
または「事業拡大と共に将来はM&Aで欲しかった機能を追加し100年継続できる体制にするのか」
それぞれを見ても、ビジョンや目的地、目標、計画、準備、戦略など雲泥の差が出てくる。経営者の覚悟ももちろん変わってくるものである。
「どれくらい会社を継続させるのか?」この質問こそ盲点だといえる。
継承はどうするのか
会社を50年、100年と継続して残していく計画を立てた場合、次に出てくるのが「継承をどうしていくのか」である。
ただ単に継承と言っても、多くの項目を考えなければならない。それはこの一言で集約できるのではないだろうか「経営者が仕組に取り込まれず、成長し続けるために何を継承するのかまた何を一番伝えたいのか」である。
短気な経営者は、「全部だろうが」と言うかもしれないが、その「全部」とは何だろうか。この問いに答えられない経営者は殆どが「何も考えてない」ことの答えだろう。実際にリスト化してみて欲しい。ここがきちんと抑えられていなければその先は無い。
経営者の多くが「何を継承していくか」決められていない傾向が大きく、現在でも多くの会社が継承問題で困惑しているのである。その問題を解決するために各都道府県で運営する後継者バンクがあり、多くの会社が登録されているのである。
結局問題を先送りしたツケが最後の最後に来ているのである。
事業の継承は一朝一夕では出来ない
業種や会社の体制にもよるが、事業の継承には最低5年から10年はかかると言われている。取引先や顧客、銀行など利害関係との立ち回りや信頼を得ていかなければならず、また込み入った業種の場合、現場を覚え会社の流れ全体を把握するのに時間はかかる。
また社員は「社長が一体何を考えているのか、何故その考えになるのか、その裏側にはどのような出来事があり、その判断になるのか」…など、感覚で今までやってきた経営者の考えはまるで宇宙人のように思うものであり、理解しがたい面が多分にあるのである。それは小規模中堅の経営者が「世界的な大企業が、どうやって今の自社の規模からあそこまで大きくできたのか?」と思うのと同じである。
全員とは言わないが、多くの経営者は社員に自らの体験や経験からの法則性、想念や考えを伝承していない。これこそ根源であり重要な宝物であることに気づいていない。この宝物は、経営者の考えや想念を、夢や希望の実現を経営者の「優れた感覚」で今までやってきているので、会社としての業態は出来ているが、継続・継承と考えた場合、「資産」として残しているものがないことが多くの会社に言えることである。
継続・継承のために青写真の形成からプランという形にし、全社へ移植していく戦略と継続できる仕組づくりを資産化するのが弊社の提供する内容であるが、資産として残していない会社は経営者がいなくなった時点で継続・継承は無くなる。
今回の気づきで即行動し始めるか、見なかったことにするか、それにより未来は大きく変わるのはお分かりだろう。
そう、経営者であるあなたの判断にかかっているのである。
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