後継者を育成するための前提条件を知る
経済産業省は、中小企業の経営者が第三者に事業を譲ることを後押しするようです。
日本全体の中小企業が後継者問題で困っているからです。
中小企業庁によると、中小企業の経営者のうち、245万人が2025年までに70歳を迎えますが、うち127万人は後継者が決まっていないようです。
経営者が後継者の決定を、自らの引退の時に決めること自体に問題があります。
なぜなら日本では欧米と違い、マネジメントが優秀な社員に事業承継をするという考え方はとても難しいからです。
欧米と違って日本では、ステップアップは卒業方式です。
一般職層(プレーヤーの層)で現場の仕事が優秀だと認められて中堅職層へ。
中堅職層で、プレーイングマネージャーとして引き続きプレーイングをしながら部下に教える仕事をして、それが評価されて管理職層へステップアップします。
例えば、標準昇格年数20年以上かけて、管理職層へステップアップします。
つまり、入社した社員を成長させて中堅職にステップアップさせ、次の管理職層へステップアップさせます。
やがて、その管理職層に成長させた社員の中から後継者を選考してバトンタッチします。
管理職層の成長シートの中で1番点数の高い社員にバトンタッチする。
このことを、事前に社内へ公表しておかなければなりません。
なぜなら、この後継者選考の意思決定は、選考から外れた社員にとってみれば、納得のいかないことが多いからです。
それは選考基準が曖昧であり、必ずしもこの会社の中で優秀な社員が選ばれたのではないと誤解が蔓延するからです。
これが後継者が力を発揮できない最大の原因となります。
仮に管理職層の社員の中で1番点数の高い社員を後継者に任命する。
このように公表してあったらどうでしょうか。
まったく混乱なく事業承継することができます。
もちろん後継者は初めてすべての責任を持つ立場になりますので、すべてが順風満帆な事業承継になるとはいかないでしょう。
ただ、その時点で人事制度が構築されていれば、何を評価してきたのか、どのように処遇を決めてきたのかが既に社内にオープンになっており、後継者はそれを守ることで人事上の問題を発生させずに経営することができます。
いわゆる順調な事業承継ができることになります。
大事なことは、事業承継のときにどのように後継者を選考するか考えるのではなく、20年以上かけて後継者を育成しながら、その中から次の後継者を指名する。
その仕組みをつくることが必要なのです。
このことが分かれば、後継者問題はほとんど解決できます。
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