「欲しい!」と思わせる自社オリジナルを創る意味とは?
社名入りを好んで使うなんて、という思い込み
先日、クライアント様へのコンサルティング終了後のこと。
「ささやかですが」と渡された封筒の中には、イベント用に作られたという個別包装のクッキーが入っていました。そのクッキー1個に1つずつ、ひらがなが書いてあります。並べると社名になるという、積木のおもちゃのような可愛らしいクッキーでした。
「可愛くて、食べらない」と言ってしまいそうなこのクッキーですが、実際に社員の方からも大好評で、残りはもうわずかしかないとのことでした。
クッキーだけならば、おやつ替わりなのだろうとも思いますが、同社では、過去には社名の入ったオリジナルステッカーも作ったといいます。そのステッカーを自分のPCに貼る人が多かったらしく、すでに現在は品薄状態。
社員の方からの「もっと欲しい!」という声に応えて、また制作する予定だと、担当者の方はうれしい悲鳴をあげていました。
クッキーにステッカー、こんな話を聞いていて、私はとても意外な気がしました。
個性や多様性が叫ばれる時代、それも勢いあるITベンチャーで働く方々は、自分の会社への所属意識が薄いのではないだろうかーー。つまり、社名入りのものを好んで使うなんてことはないだろう、と思っていました。
これらのオリジナルは、デザインや品質のレベルが社員を満足させているという前提だからですが、意外にもネガティブな声は少なく、逆に人気アイテムになっている様子でしたす。私の「社名入りなんて・・・・・・」という想像は、単なる思い込みだったようです。
そして、ここで改めて気付いたことが一つ。これら自社オリジナルアイテムやノベルティは、使い方次第ではありますが、社内の有効なコミュニケーションツールとなっているということです。
大前提は「欲しい!」と思わせるレベルのもの
確かに、取材でも、決算説明会でもいつでもどこでも自社ロゴの入ったデザインTシャツを着ているベンチャー企業の社長が多いのも最近の傾向です。
また、クラインと企業では、クールビズ用に自社オリジナルのポロシャツを新たに作り、この夏は社員みんなが着ているという話しも聞きました。
このように自社名、ロゴの入ったオリジナルアイテムが、いつも身近にあることでいろいろな効果を生んでくれそうです。目にする機会が多ければ多いほど、親近感が生まれて、愛着が出てきそうなことは感覚的にも納得ができます。
繰り返しますが、デザインとクオリティが社員を満足させるレベルであることが大前提。決して、社名を入れただけのお年賀用タオルや100円の社名入りボールペンと同等であってはいけませんので、ここを間違えないようにしてください。
使っているうちに、無意識の連帯感が生まれ、それによって社内コミュニケーションが円滑になり、やがて強い愛社精神につながるーーー。これもあながち期待しすぎとは言い切れないのではないでしょうか。
この機会に、御社も何か一つ、人気が出そうな自社オリジナルアイテムを作ってみてはいかがでしょうか?
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