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ヒット商品が生まれる3つの“F”

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

一度売れた商品は、必ず “売れる要素”を持っています。売れる要素に新しい「何か」を加えてみると、再び売れるようになります。これがわたくしどもが提供しております商品リニューアルです。弊社コンサルティングのヒアリングで、社長の口から出てくる言葉に「リニューアルをして、今のお客さんたちの課題を解決したい」とか「今の暮らしに役に立つ商品を・・・」というものがあります。

社長は「このままでは売れない」と既存商品をお持ちになります。自社商品が時代に合っていない、と自覚されています。そして今の時代の「お困りごと解決」という発想を持たれ、ご相談にいらっしゃいます。まず「残念ながら御社商品を必要としている人はだれもいません」と最初にお伝えしております。当然その場にイヤな空気が漂います。さらに「お客様には課題などありません。役立つ、ということも求めていません」。そうお伝えさせていただきます。

かつては「コスパ」や「安い」で人気を博していたダイソーやセリアなどの「100円均一ショップ」がいま再び注目されています。安いだけの100均から脱出し、「安くて可愛い」「安くて便利でオシャレ!」といった、次のステージへ躍進し、女性たちの間でクチコミが広がり雑誌やテレビ、SNSなどで話題になっています。オシャレなイラストや写真が施されたジッパーバックなどが特に人気です。

日本市場では、価格も含めて“良い商品サービス”が山のようにあります。高級食パンのようなプレミアム化や「私の体型に合った唯一無二商品」など痒いところに手が届くニッチ商品も次々と生まれています。ありとあらゆる商品やサービスであふれた今、「イマドキ、なんでもあるよね。しかもオシャレ!だよね」というのが生活者のナマ声です。もちろんインターネットでの売り場が、こうした価値観を加勢しています。

例えば衣食住の中でも、「食」に関しては「飽食の時代」といった言葉がさかんに使われてきましたので、ピンとくるかと思います。飽食=ホウショクとは「食べ物に不足ない事、生活になんの不足もない事」という意味です。

10年以上前になりますが、前職の洋菓子メーカーは飽食時代における事業展開となり、そもそもが非常に厳しいマーケットでの戦いです。飽食で生活になんの不足もない時代に、洋生菓子(ショートケーキ等)や焼菓子(クッキー等)を打ち出してゆくわけです。

さらに日本市場では、春夏秋冬の四季の移り変わりがあり、期首期末があり、お中元などの贈答シーズンがあり、年末年始があります。その間に、ひなまつりやハロウィン、バレンタインやクリスマスなどの催事があります。ただでさえ、だれも必要としていない洋菓子を季節と催事テーマで次から次へと商品展開していかなければならないのです。アイデアが煮つまります。

そもそも、お客様は満たされている状況なのに、「課題がある」と信じ進みます。「お客様のために」とか「課題解決」とか「役に立って」といった方向性で考えても堂々めぐりです。開発リミットが迫ってくれば、商品企画の根拠となるデータを集め裏付けして企画立案。作り手都合の商品開発をしてしまいます。

商品リニューアルの出発点は「役にたつ」や「課題解決」ではありません。イマドキのお客様は、自社商品サービスを「欲しい」とは思っていません。「課題の解決」も望んでいません。ましては「暮らしに役立てたい」という意識もありません。お客様は困っていないし、十分満たされているのです。今の時代はモノが溢れたと考えるのではなくて、「不満」や「不快」や「不安」が稀少になった。「不」の感情が大減少した、と着眼しましょう。つまり、「不満」、「不快」、「不安」が贅沢になったということです。不満、不快、不安の「3F(スリーエフ)」こそが実は「宝」の山なのです。

最近のヒット商品に注目してみましょう。子供たちに人気の「うんこドリル」、大人気絵本「おしり探偵」は見た目がおしりのキャラクターが主人公です。ローソンで大ヒットしたおにぎりはネーミングが「悪魔のおにぎり」です。どの商品もタイトルだけ見れば、決して清々しいものではありません。70代後半の母は、おしり探偵の絵本を見て「こんなヘンテコな絵本があった!人にあげていいものかどうか教えて」と、嬉しそうに連絡してきました。

一度売れた商品は “売れる要素”を持っています。

御社では売れる要素に何を加えますか。

今のお客様の役に立つ素敵なことでしょうか?

課題解決につながる良いことでしょうか?

時代が大きく変わっています。商品リニューアルも進化し続けています。新しい時代の考え方に基づいた商品リニューアルのやり方を手に入れ、高収益化を実現する仕組みをしっかりと構築していきましょう。

 

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