顧客の期待に応える「満足」と期待を超える「感動」の違い
社会は成熟し、サービス産業が日本の産業の75%を超える世の中となった今、顧客のサービスに対する目線は上がり「良くて当たり前」の時代となっております。
一方でこれから高齢化、人口減が進行する日本にとって、顧客のリピート化、顧客ロイヤリティを高めることは、企業にとっての生命線と言っても過言ではありません。
その上では、
「顧客の期待に応える満足領域」を超えて「顧客の期待を超える感動領域」に自社のサービスをどう昇華さるかが重要な時代です。
それを考える上で、顧客の期待を理解する必要があります。
顧客の期待には大きく分けて4つの期待があります。
1.共通的期待
例外なく、一般的に誰もが期待する対応を「共通的期待」と言います。
例えば、
「待たせない」
「注文通りのものが提供される」
「対応がスムーズ」
といった、誰もが最低限要望する期待です。
2.状況的期待
顧客の状況に応じて臨機応変に対応して欲しいといった期待です。
「急いでいる時に、早く対応してもらえる」
「飲食店で、ドリンクのお替りが欲しいと思ったタイミングで店員が、「おかわりをお持ちしましょうか」と声を掛けてくれる。」
3.潜在的期待
通常、サービスを受ける際には期待していないけど、潜在的に「されると嬉しい」といったものです。
「レストランで誕生日のお祝いをしていたら、店員が会話の内容から察してバースデーケーキを店からプレゼントされた。」
「旅館に宿泊した際に、客室に女将からのメッセージカードが入っていた。」
4.個別的期待
「顧客」ではなく「個客」を意味し、そのお客様独自の持っている期待に応えることを意味します。
「小さい子供連れでレストランに行った際、子供が泣いても大丈夫なように個室を案内してくれる。」
「ホテルで足が不自由なゲストに対して、エレベーター近くの客室をアサインしてくれた。」
このように、4つの顧客の期待を理解することが重要であり、それに対して、どのように顧客の期待に対応できるかが、サービスの良し悪し、満足と感動を分けることとなります。
その点でいうと、「満足」=「等価価値」であり、顧客が期待したものと等しい価値が提供された際に、顧客は満足を覚えます。
それが、この4つの期待でいうと「共通的期待」にあたります。
この期待が満たされないと、顧客は「満足」どころか「不満」となり、リピート化、顧客ロイヤリティを高めることは難しいでしょう。
一方で、期待を超える「感動」=「付加価値」であり、この付加価値が提供できるかどうかでサービスの評価が大きく変わり、リピート化、顧客ロイヤリティ、単価アップにも大きな影響を及ぼします。
この感動の期待領域は「状況的期待」「潜在的期待」「個別的期待」に応えることを意味します。
このように、顧客の期待を理解し、「等価価値」ではなく、「付加価値」の提供が、これからのサービス業には必要であり、等価価値のレベルでは、これからの更に進む、客数の増加を見込めない時代を乗り越えるには、低価格化、効率化、AI化しか生き残る道はないでしょう。
あなたの会社は、
「等価価値」の提供で顧客満足を目指しますか?
それとも「付加価値」の提供で顧客感動を目指しますか?
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