接客レベルの高平準化と体系化のやり方
先日、ある経営者の方から、
『接客サービスのレベルアップをするにはどうすれば良いですか?』
という質問を受けました。
一言で接客サービスと言っても、居酒屋の接客サービスもあれば、ホテルのフロントでの接客サービス、ウェディングの接客サービスもありますが、やはり、接客レベルが業績に直結すると言えば、ウェディング、ディーラー、住宅、旅行会社のようなお客様が来店されて、接客、商談を実施し、購入するか否かという接客。
対面での商談型接客サービスです。この接客サービスは、接客サービスの仕方によって、受注率も、売上も大きく変わってきます。
実際、ウェディングの現場でも、同じハード(チャペル・パーティールーム)を
同じ料金で販売しても、スタッフにより受注率は10%も満たないスタッフも居れば、50%を超えるスタッフもいます。
『何が違うのでしょうか?』
それは『スタッフ』が違うだけです。
それぞれのスタッフは、最初は先輩から教育を受けるものの、その教育もさらに
その先輩から教えてもらったことを、スタッフなりに理解をしてやっているケース
が殆どです。
その先輩が受注率の高い先輩なら良いのですが、受注率の悪い先輩から教わった時
には、受注率が上がる訳がありません。だからこそ、受注できる高いレベルで接客レベルを平準化する必要があります。
それに必要なのは、実はマニュアルではありません。
必要なのは『接客フロー』と『接客ストーリー』と『接客シナリオ』です。
まずは、スタッフの中で高い受注率のスタッフの接客を来館からお帰りになるまでを
分解します。高い受注率のスタッフは、必ず自分なりのノウハウを持っていますが、それが、チームで生かされていないケースが殆どです。
そのスタッフの接客の流れをまず『フロー化』します。
次に、そのフローに沿った『接客ストーリー』を作ります。この接客ストーリーは接客のフローに対して、更に具体的にどんなツールを使って、どのくらいの時間配分で接客サービスを実施するか決めていきます。
そして、最後に『シナリオ化』します。シナリオとは『セリフ』にまで落とし込むということです。高い受注率のスタッフが、どの場面でどのようなセリフを言っているのかを検証して、シナリオに落とし込みます。
『ここまでしなければいけないの?』と思われるかもしれませんが、実際お客様はその言葉やフレーズで買うか、買わないかを決めていると言っても過言ではありません。
ここまでできれば、後は、その基本となるシナリオを基にトレーニングします。これで、各スタッフ個人でバラバラだった接客サービスが、高い受注率のスタッフのやり方で作成された接客シナリオによって、高いレベルで平準化されます。
それだけではなく、新しいスタッフが入ってきてもこのシナリオによって教育できる
ので、教えるスタッフによって、レベルが変わるということも起こりにくくなります。
先日も、通常3ヶ月かかるウェディングプランナーの教育で、シナリオによって2ヶ月に短縮し、新人は通常はじめは20%前後の受注率でスタートするのですが、彼女はいきなり50%代の受注率をたたき出し、いまだにその数字をキープしています。
接客サービスも大切な商品です。
同じレストランで作る人によって料理の味が違ってはならないように、接客においても、スタッフによって提供するサービスが違ってはなりません。スタッフによって提供するサービスの品質がブレないように、高いレベルで接客サービス を平準化、体系化することで、生産性も業績も必ず上がります。
これこそがホスピタリティの体系化です。
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