「社長の役目は事業で結果を出し続けるパターンを見つけること!その時に必要となるのが、数々の〇〇パターン」
「伊藤先生、LSPの専門家の方に入ってもらっているのですが、中々定着化できません。定着すれば人時売上もついてくると思うのですが・・・」
二年程前、レイバースケジュールに苦戦し何度も挑戦されていた、ホームセンターチェーンの経営者からのご相談です。
――――人時売上の改善幅はどれくらいですか?
「それが…まだ 改善できていないのです」とのこと。
その専門家の推奨する仕組みと、運用が間違っていなければ、数値改善しないことはありません。とハッキリとお答えしました。
既に、約1割の店で、レイバースケ―ジュールに似せた仕組みの導入が進んでいたのですが、伊藤はいくつかの質問をしました。
- なぜこの取り組みをするのか?
- その目的は何か?
- 人時売上目標はいくらか?
- 達成期限はいつごろか?
- こういった結果を出すためには何が必要か?
- 無関心や批判的な意見が出た時どう対処するのか? 等々
これらは、新たな取り組みをする上で確認すべきの基本的な問いですが、社長からは、はっきりした答えは返ってきません。
伊藤はさらに続けます。
――――経営者が何を望んでいるのか、明確に説明できなければ、レイバースケジュールは、リストラ、コストカットと誤解され、取り返しのつかない損害を被ります。しっかり決めてくださいと。
レイバースケジュールは人時売上を上げるため、時間の使い方を示唆するツールです。それを運用していくためには、その効果が目に見えるようになっていなければ誰も納得しません。
人は本来変化を好まないもの、心の中にある不安感情を「効果の見えるカタチ」でプラスに変えることができなければ逆効果になる。とも申し上げています。
「悪貨は良貨を駆逐する」ごとく、真面目とか不真面目と言ったこと以前に、勝つ為の方法や必要環境が示されないままLSP選びを急げば、後から必要機能が不足していることに気づいても、後悔するだけだからです。
わかりやすい例でいえば、定期健康診断で再検査結果が出た時、だれもが病院で診察を受けます。
そこでは、レントゲンやCT・MRIで体の状態を撮影し医師は患者と一緒に画像を見て診断し説明します。そこで患者の同意が得られ、手遅れにならず適切な治療を進めることができます。
企業経営も同じで、上手く回わらず結果がでないのには必ず原因があります。日々の人時売上結果のどこに問題があって、どうやって改善したらいいのか?
そういったことを全体と問題箇所の画像をもとに診断してきませんと、「人がいない・人がいない」っていうから必死に採用してきたのに、気づけばなんでこんなに、人がたくさんあまってるんだ?…という笑えないことが起ります。
社長の出席する経営改革プロジェクトでは、実際に問題店舗の人時割レイバースケジュール画像を前に、その店長に同席してもらうことで、どこに問題があるのかを明らかにし対応法を指示していきます。
好むと好まざるにかかわらず、経営者と店長が取るべき行動がその場で合意されます。それによって、月を追うごとに結果は変わっていきます。
そういったデータは店舗でももちろん日々見ることはできますから、店長がいつから行動おこしたか、行動記録としてアウトプットされデータは蓄積されていきます。現場の行動が早くなり結果が直ぐに変わるのはそのためです。
「店舗に資料は作らせたくない」という声も聞こえてきそうですが
経営改革プロジェクトでは、人時割レイバースケジュールの画像をそのまま使うだけですので、資料作成も結果報告の時間もゼロです。
この店舗データをもとに経営会議で審議するので、本部スタッフも店長も資料作りから解放される反面、その読み込みと対策を考える思考力が鍛えられることになります。
これにより、経営の意志決定のスピードが速くなり、ムダから生み出された資金の再投資が行われるので、人時売上の改善幅がさらに拡大していくことになるのです。
経営業務改革プロジェクトでは 社長をはじめ主要メンバー6人ぐらいにご参加いただきその基礎から応用活用法まで、実店舗の取り組み推移を見ながら実践しノウハウを経営の血肉としていただくことになります。
一方で、先の企業のようにLSPの専門業者さんに依頼し、動き始めたらその中で数値を改善していこうと、甘く考えておられる企業は、結果がついてきません。
理由は簡単で、どこかの企業で使い回したLSPフォームに、自社の作業を置きかえるだけだからです。
本来その企業戦略に必要な機能が不足しているだけでなく、どこかの企業でやった作業事例が組み込まれてしまう為逆に人時は増えてしまうことになります。
売上が昨年並みであれば、人時売上は当然悪化することになります。
なんでもそうですが、何か新しいことを取り組む時、何かがプラスされるだけで、誰も損をしないという暗黙の了解がある時は誰でも賛成します。
しかし 人時売上を伸ばすためには、今までの仕事在り方を見直し、儲からない業務は中止の指示をだし、そこで働いていた人を再配置していかなくてはなりません。
店長がやるべきことは、こういった、人時を置き替える理由を丁寧に説明し、時には、1人ひとりと契約時間の変更交渉していくことになります。
この交渉の時に必要なのが、経営改革プロジェクトにおける方針です。それがありませんと、好き嫌いで人を動かしたり、動かされたほうは、どうして私だけ?という被害者意識が生まれ、職場が険悪なムードになってしまうからです。
大事なことなので 繰り返しますがLSPは単なるツールです。これさえ入れれば人時が改善されると思ってる方は既におられないと思いますが、これを入れることが目的になれば、上記のような悪影響を及ぼすことになります。
先のチェーンは、これまでやってこられたLSP導入を一旦取り止め、戦略部分から作りなおし、レイバースケジュールについては自社でゼロから作り直すことに方針転換を図られました。
今ではグループ各社にも、この手法を広め破竹の勢い生産性を伸ばしておられます。
「勝ちパターン経験している人」は、結果を出すために必要なことを最初に明確にします。一方で「勝ちを知らない人」は、最後まで何が結果を変えるのかわからないままで終わります。
事業で結果を出し続けるためには、この「勝ちパターン」を探し出し、そのやり方に従うことが勝つ為の条件なのです。
さあ、貴社では、結果の出ないまま最後まで時間が経つのを待ちますか?それとも、結果を出すためのアクションを起こしますか?
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