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成功するプロジェクトと失敗するプロジェクトの違い

SPECIAL

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント

代表取締役 

 指導暦12年。オーナー企業を中心に約170社の指導実績をもつ経営コンサルタント。独自の『業績3年 先行管理』の手法を通じて、中小・中堅企業が持つ属人的な稼ぐ力・育む力を、再現性の高い仕組みに進化させる。この仕組みは、人間の特性を活かしたものであり「社員が自ら動き出すようになった」「管理の弊害が少なくなった」「目標達成が当たり前になった」と多くの経営者が注目している。

社内外のプロジェクト 一流社長はやりがいを与え 二流社長は徴兵制度と化す

「小島先生。おかげさまで再構築プロジェクトが上手くいきました。それで2年目に突入したわけですが、このままで良いのだろうか。少々気になります。さらに良い活動にしたいので…」 

M社長からのご相談です。この会社は、昨年度、共通の知り合いである経営者の紹介で弊社の門を叩き、仕組みづくりコンサルティングを実施しました。そして、わずか1年で軌道にのせ、順調に仕組みをまわしています。 

もともと他のコンサルティング会社の先行管理(のような仕組み)を導入していました。しかし、社員のやらされ感を払拭することができず形式的な活動にとどまっていました。そこで、昨年度から当社のエッセンスを加え、やり方を根本的に見直しました。すると、M社長の指示のもと、社員が自ら考え行動する先行管理の仕組みに変わっていったのです。 

「順調に進んでいるけど、何かが気になる。」「このままで良いのだろうか。油断をしてはいけない。」――M社長は、健全な危機感を持っていました。再構築プロジェクト2年目に向けて、予め手を打っておきたい。できる経営者は貪欲です。

 

■1.できる経営者のアンテナの感度
 

実は、こういった相談をなされる経営者は少数派です。全社で取り組んでいる重要なプロジェクト。これが軌道にのってきた、仕組みが上手くまわりはじめた、というのですから多くの経営者は、昨年度と同様に進めればよいと考えるからです。 

面白いもので、「自社の業績」と「社員の成長」を同時に実現させる経営者は、相反するものをバランスよく持っています。例えば、大きな勝負では大胆に決断します。しかし、何気ないことに引っかかります。そして、安易に納得はしません。「本当にこのままで良いのだろうか?」と独自の感覚で何かを察知します。すると、速やかに軌道修正をします。経営の勝負ポイントを見極めるために欠かせないアンテナを持っているのでしょう。 

今回のM社長も、このアンテナが反応しました。安易にプロジェクトを続けるのではなく、2年目に向けて軌道修正をする。プロジェクトの段階を見極めて関わるスタンスを変えていく。とても大切なことです。 
 

■2.成功するプロジェクトと失敗するプロジェクト
 

同じテーマのプロジェクト。成功する(上手くいく)会社もあれば、失敗する会社もあります。また、M社長の会社のように上手くいくケースもあれば、失敗するケースもあります。この違いはどこにあるのでしょうか。よくある2つのポイントをお伝えします

(1) <重点を絞っているか?>

失敗する会社の多くは、同時にプロジェクトを何本も立ち上げています。さらに今年度の全社方針を伺うと、4つ、5つ、6つ…と項目が並びます。いろいろありすぎて何が重点かわかりません。すると、社員は体裁よくほどほどにかかわります。力が分散し、上手くいくはずがありません。 

全社プロジェクトの乱立はNG。一つに絞ること。 

M社長の会社も一昨年は3つのプロジェクトを同時に進めていました。そこで、昨年は全社プロジェクトを一つに絞り、全社方針も絞り、重点を明確にしました。当然のことですが、限られた経営資源をどこに当てるのか、全社員が共通認識できるようにしましょう。 

(2) <経営に参画できる実感を与えているか?>

失敗する会社は、プロジェクトメンバーを作業員としてみています。トップの指示に従わせるだけ。成功させるために、とにかくやれ、絶対にやれ、というスタンスは最悪。社員の立場からすれば、いい迷惑です。通常業務にプロジェクトで+αの負荷。徴兵制度はコリゴリです。やったもの負けという空気が流れます。参加メンバーがやりがいを感じられなければ、やらされ感に犯されて失敗。時間を浪費するだけに終わるでしょう。 

徴兵制度はNG。やりがいを与えること。 

M社長の会社は、一昨年までは、半ば強引に進めたため、頓挫してしまいました。そして、昨年スタンスを変えました。中小企業だからこそ、経営に参画できるという価値を伝え、実際に社長・役員と意見交換する場を何度も設けました。人生100年時代。若手・中堅社員は、経営者が思うよりもこの着眼に響きます。M社長も、中堅社員の前のめりの姿勢に驚いていました。また、全社の協力を得るには、「プロジェクトの成功が、自分達の将来につながる」と一人ひとりが感じられることも大切です。 

小島の経験上、プロジェクトで活躍した若手・中堅社員を幹部に抜擢したり、場合によっては役員に抜擢したりすると、より効果的です。社員は、理想のキャリアプランを描けるようになるため、後に続こうとする社員が増えるからです。(ベテラン社員の甘えも払拭できます) 
 

■3.プロジェクトを通常業務に変換するポイント
 

できる経営者は、これだけではありません。プロジェクトは、組織に変革を促すもの。通常業務は、決められたことを決められたやりきること。この違いを認識しています。つまり、変えるフェーズ(変革)と、定着するフェーズ(管理)を分けて考えています。 

変えるフェーズでは、完璧を求めすぎないこと。経営者の基準をいったん脇に置いて、挑戦する社員を応援してください。ちゃんと社員に発散させること。ついつい、過去の常識にとらわれて手厳しくアドバイスをしたくなります。しかし、ここはグッと堪えてください。 

社内外でこれまでに実施したプロジェクト。社長自ら「自由に考えてやって良い!」と言いながら、ついつい社員を否定をしていませんか? M社長もかつては社員をズバズバと指摘していました。そうするとプロジェクトメンバーは一気に冷めて、推進力を失います。不十分でも、一度好きなようにやらせて見てください。場合によっては、失敗を見届けてください。 

その後、定着させるフェーズが見えてきたら、具体的にアドバイスをすると良いでしょう。発散と収束を分けることが大切です。M社長は、2年目に向けてプロジェクトを収束させ、定着させることを意識しなければなりません。 

経営の全責任は、経営者が背負うものです。経営者が決断しなければなりません。ただし、組織を変革させるプロセスでは、社員一人ひとりのアイデアを大切に、取り組みを周知させる必要があります。プロジェクトを立ち上げ、この流れを見極めて通常業務に落とし込んでいく。ある意味、周知独裁ができる経営者でなければなりません。 

まずは、経営者自身、社内の活動がどのフェーズにあるのか認識すること。そして、社員一人ひとりにその段階にあった重点を認識させること。プロジェクトの成否は、経営者が握っています。 

社内外のプロジェクト。一流社長はやりがいを与え、二流は徴兵制度と化す。自社でやるには注意が必要です。また、外部のブレーンを活用するのであれば、安易に流行っているコンサルタントに依頼するのではなく、自社に必要なコンサルタントを見つけてください。 

一経営者として、あなたは、自社の変革のために何ができますか。どのスタンスでプロジェクトを立ち上げ、どのように関わりますか? 


 ※当社は、営業組織を起点にマネジメントの仕組みを根本的に見直す、「業績3年 先行管理の仕組みづくり」をお手伝いしております。興味がある方は、ぜひ弊社セミナー07/25東京09/05大阪09/26東京)参加ください。
  

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