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社員旅行の宴会場で若手はなぜ浴衣を着ないのか

SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

先日、とある企業の幹部と雑談をしていたときのこと。社員旅行で若手を含む全社員を温泉旅館に連れて行ったが、「ひと風呂浴びた後の宴会場に、若手社員が全員ジーパンをはいてきて驚いた」という話になりました。

温泉旅館の宴会場といえば、上の世代には浴衣が定番。そこにジーパンをはいてきて、しかも畳の上の座るとなると、窮屈きわまりないはず。その窮屈を押してジーパンを履いてくる心模様はどうなっているのかと。 

会社におけるさまざまな場面で若者たちが見せる不可思議な行動に、上の世代はいろいろと想像を巡らせます。たとえば、「ひそかに会社に対する抵抗を示しているのではないか」とか「上の世代との会話を拒んでいるのではないか」とか。それらは当たっているかもしれませんし、まったく当たっていないのかもしれません。 

彼らにとってみれば、ただ浴衣の着方がわからないだけかもしれませんし、そもそも「宴会には浴衣」という暗黙のドレスコードを知らないだけかもしれません。実際のところは、「本当のところ、どうなの?」と聞いてみないことにはわからないのです。 

仮に、「宴会場には必ず浴衣を着てくるように」とお達しをだしたら、多くの若者たちはおとなしく、そして、ぎごちなく浴衣を着てくるでしょう。彼らにとっては、そこで抵抗を示すことに大きな意義はないからです。 

こうした些細で悪意のないジェネレーションギャップを見つけたら、「最近の若者は…」と嘆く前に、そこにある価値観の違いを見つけてみてはいかがでしょうか。昼食を一緒に食べていても、スマホを取り出して何やら一生懸命チェックしている若者たちは、前の世代とどんな風に異なる価値観や世の中の認識の仕方をしているのか。

「それはルール違反」と決めつける前に、なぜ彼らがそういう行動をとって、そうすることでどういう穴埋めをしているのか、もし同じ穴埋めを別の手段でするとしたら、どんな選択肢が考えられるのか……を、やんわりと肯定感を漂わせて尋ねてみるのです。

新しいコミュニケーションのチャンネルが開けば成功です。

 

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