成功は失敗の元 失敗は成功の元
店舗経営者は、自店で取り扱う商品の知識はもちろん、接客や販売についてもとびぬけた実力を持っています。だからこそ一店長で終わらず、経営者として現在の経営をしているのであり、それが競争力の源泉にもなっています。
ただ、一時期はそれでいいのですが、店舗ビジネスに限らず、事業には必ずライフサイクルがあります。導入期、成長期、成熟期、衰退期…つまりは流行り廃りがあるということで、永遠に続く事業はないということです。
企業はゴーイングコンサーン(継続企業の前提)だと言われ、企業活動は無期限に続くと仮定されています。しかしながらこの前提はかなり無理があり、事実、東京商工リサーチの調査によれば、企業の平均寿命は23.5歳となっています。
何が言いたいのかというと、一時期に成功した事業で慢心することなく、次の取り組みを常に考え、実践していかなければ企業に未来はないということです。
私がコンサルタントとして関わる企業を例にとっても、社長のずば抜けた営業力や商品知識などが会社の競争力そのものとなり、業績を伸ばし続けている会社は多数あります。しかし社長が高齢となり、後継者にバトンタッチをするときには営業の仕方も、商品自体も時代とともに大きく変わり、全盛期の足元にも及ばない状態となっている会社もまた多数に上るのです。
「過去の栄光」にとらわれてしまい、新たなモノやサービスの開発を怠って危機を招いてしまうのはよくあることです。ここに経営の難しさがあり、分かっていても同様の失敗をする企業が後を絶たないのは、このイノベーションのジレンマとも言うべき罠に一番引っ掛かりやすいのは当事者である社長であり、状況が悪ければ悪いほど「過去の栄光」が頭をもたげてくるからなのです。
「私の営業力があれば…」「この商品があれば…」こう考えているときは危険です。もうすでに「事業の賞味期限」が過ぎている可能性があります。その圧倒的な営業力も、商品知識も過去の遺物だと認めなければならない時は必ず来ます。それは早ければ早いほどダメージは少なくなるのです。社長にとっては一番つらいことかもしれませんが…
すべての物事には新陳代謝が必要です。営業方法も、商品知識も例外ではありません。常に勉強することが唯一の道であり、いつまでも過去を引きずることは百害あって一利なしです。企業の成長も老化も、すべては社長の責任なのです。
経営者の皆さん。
過去の栄光を引きずっていませんか?
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