二代目社長が意識しなければいけない視点
早いもので、2019年も折り返し地点。2019年のうち、半分が経過しましたから、泣いても笑っても2019年の後半戦に突入した…ということになります。日々忙しく動き回っている社長さん方からすれば、「あっという間に半年経っていた…」という感覚かもしれません。ですが、会社の未来を正しい方向に導き、地域経済のリーダーである同族社長ほど、物事の「節目」を意識して、自社の過去・現在・未来を定点観測しなければなりません。
特に、社長こそ意識しなければならないのは、「自社の経営課題が、前進しているか?」という視点です。この視点は、非常にシンプルではありますが、大変重要なものでもあります。
「前進」という言葉を使うと、「売上拡大」「業務拡大」を思い浮かべるかもしれませんが、時と場合によっては、戦略的に「売上を減らして、利益を増やす」こともあります。あるいは、「残したいキャッシュから逆算して、融資期間・金利を見直す」という選択をすることだってあります。あくまでも大切なのは、目指したいゴールから逆算して得たい結果が得られているかという視点です。
もし仮に、運よく売上が増えていたとしても、その要因が取引先の単なる業績好調であれば、ハッキリ申し上げて、それは、自社の経営努力というよりは、偶然的要素の方が強い…と言わざるを得ません。特に、大企業との取引量が多く、実質的に下請け的な関わりをしているような会社であればあるほど、不況や経営環境悪化で真っ先にダメージを受けます。この事実は、過去の歴史からみれば明らかですし、だからこそ、できる限り早い段階で「実質・無借金経営」を目指していかなければなりません。
そのため、当社では、時と場合によっては、社長さんに対して「売上が減るのはいいことだ」ということをお伝えすることがあるのです。具体的には、やればやるほど貧乏暇なし化する赤字事業・不採算部門からの撤退を決断したり、自社の経営理念や信条に合わない取引先との付き合いをやめたりすることが挙げられます。
大切なことは、自社の経営課題が去年と同じだったり、むしろ悪化している…ということであれば、それは「停滞」「衰退」の負のスパイラルに陥っていないか…を疑わなければならないということです。
逆に、経営課題が前進しているということであれば、それは「成長」「発展」の善循環が回っていることの表れですが、ここで油断は禁物です。その善循環を維持し、より良く回していくための「打ち手」だったり「行動」の量を増やしていかない限り、あっという間に「停滞」「衰退」が待っています。
よく企業経営はフルマラソンや、駅伝などに例えられますが、一時的・瞬間的に良かったとしても、それはあくまでも「その時」の話です。最も大変かつ重要なことは、その良い状態を維持・継続していくことです。
そして、何よりも自社の経営の自由度を高めていくために不可欠なのは、「実質・無借金経営」の状態であることです。
大切なことなのであえて申し上げますが、どんなに売上が増えていても、どんなに人を育てても、どんなに利益が出ても、それだけでは「お金」の問題は、解決しません。もっというと、売上が増えれば増えるほど、お金は減っていくという会社経営にまつわるお金の原理原則の落とし穴にハマっていきます。だからこそ、そうならないよう、社長は、未来を見据えた財務中心の会社づくりをすべきなのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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