プル型は正解でプッシュ型は間違い?新時代の営業スタイルとは
「世間ではプル型営業が正解だと言われているから間違いない」
現在の営業スタイルの主流になりつつあるプル型営業。飛び込み営業のようなプッシュ型ではなく、顧客に選んでもらえるように行う営業スタイルです。これだと確実な顧客が確保できますので、どの企業も重用するのは分かります。
しかし、プル型営業ばかりに頼っていては、企業カラーがどんどん薄らいでいく危険性をはらんでいます。顧客に選ばれようと躍起になるあまり、元々の企業理念や目的を忘れてしまうからです。
では、どのような営業スタイルが正解なのでしょうか。今回はプル型・プッシュ型営業のメリットデメリットを見ていきながら、貴社に合う営業スタイルについてお話していきます。
■プル型営業が企業カラーを薄れさせる理由
SEOというものをご存じでしょうか。検索エンジン最適化を英訳し、その頭文字をとってこう呼ばれています。ネットで検索されやすいキーワードを選定し、それに沿って公式サイトなどを構築。これにより、見込み客が自然に集まるようにする仕組みです。プル型営業の基本といっても過言ではありません。
一見、とても素晴らしい仕組みのように思えますが落とし穴があります。それは、見込み客の想像以上のものを提供できない点です。ネットで検索する場合、目的以外のものには興味を持ちません。ですから、見込み客に本当は必要であったとしても、見込み客自身が必要だと感じなければ見えないも同然なのです。
一昔前なら辞書を引くと、目的の単語以外にも隣の単語も目に入ってきました。しかし、これがネット検索だと隣の単語が目に入らない状態なのです。これだと横にも縦にも世界が広がりません。点と点の世界になってしまいます。
これがビジネスの世界でも起きているのです。世界が広がらず、貴社の素晴らしいところが点でしか見てもらえない。これは企業側の損失のみならず、見込み客の損失でもあります。本来ならセットで取引ができたものが、全て単品注文になるのですから。
これに気付けるか否かで、今後の営業スタイルは変わってきます。
■プッシュ型営業が嫌われた理由
プッシュ型営業が敬遠される最大の理由は、見込み客が「買わされる」と感じてしまう点です。「欲しい」と思ってもらえないにも関わらず、どんどんと売り込むために起きる現象です。
人間はお金を使うのが好きな生き物ではありますが、自分の意思を無視されお金を奪われることには嫌悪感を示すものです。例えば税金。払いたくて払っている人は少ないですから、税率が上がると思わずぼやいてしまいますよね。ですが、税金の使い道を知っていれば、支払うのは国民の義務であることは分かります。
これはビジネスにおいても同様です。なぜ自分がこの商品を購入しなくてはならないのかを見込み客に理解してもらわないと、気持ち良くお財布を出してもらえないのです。これが分からないままプッシュ型営業を行うと、見込み客の心はどんどん離れていく一方です。
見込み客に理解してもらおうと説得するのも悪手です。度を超えれば強要や脅迫になりますし、それでなくても現時点で欲しいと思っていない見込み客の時間を奪うことになります。時間を奪い、その上お金まで奪おうとする営業マンに誰が好感を抱くでしょうか。もし、これで一度成功したとしても、リピーターにはなりにくいものです。
では、今後はどのような営業スタイルが重要になるのでしょうか。
■聞き取り型営業で顧客のベストを見つける
プル型営業もプッシュ型営業も、大きな問題点をはらんでいます。ですが、使いようによってはどちらも優れた営業スタイルであることに間違いありません。
ここに聞き取り型営業を付け加えてみてください。昔風にいうなら「ご用聞き」です。個人商店が盛んだった頃、勝手口から酒屋さんがよく顔を出されていましたよね。これを現代にもってくるのです。聞き取り型営業があるだけで、プル型営業もプッシュ型営業もぐんと成功率が高まるのです。
聞き取り型営業は見込み客や顧客のニーズを引き出すと同時に、親しみを持ってもらうのに良い効果があるのです。心理学ではザイオンス効果と呼ばれているものです。心理実験では、一緒に過ごした時間の長さよりも、顔を合わせた回数が多い方が親しみを覚える人が多いという結果が出ています。
親しみを感じると、つい贔屓をしてしまうのが人間のサガで。この贔屓があると、他社と比べ多少値段が高くても、贔屓をしている企業の方を選ぶようになるのです。これが聞き取り型営業の最大の利点です。
■最初は難しい聞き取り型営業
聞き取り型営業が今後の主流営業スタイルになると、私は確信しています。顔と顔を突き合わせ、企業と顧客それぞれの利益をもたらすものだからです。
ですが、最初は難しいかも知れません。慣れていないと見込み客のニーズを引き出すまでに時間がかかりますし、話題を広げていくのが苦手な営業マンには向かない方法だからです。
もし導入してみたいとお考えなら、一度私と作戦を練ってみませんか?業種によってどの営業スタイルが最適かは違いますので、個別でご相談いただければ多角的に見て判断させていただきます。
多様化する現代ですから、多種多様な営業スタイルを模索していきたいものですね。
最後まで読んでくださり有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
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