「部長の動きが遅い本当の理由は社長の・・・。人を育てるのが上手い会社が絶対にやることとは?」
著書の講演会などで「先生、いい話ありがとうございました」、「感銘を受けました!」といっていただくのは、こちらとしても嬉しいものです。
一方で、残念なのは、社に戻って「いい話を聞いてきました…」と長い朝礼ネタで終わり、行動しないコトことです。
さらに、心配なのは、「いい話」を聞いてきましたと、運営部長や店長の話が長くなり、店舗の人時生産性が低下し企業成長しないことです。
感銘、感動話の効果は一瞬ですが、会社の業績回復に必要なのは継続力と行動計画です。会社は学校と違い、感動話を長々と伝えても、マイナスになってもプラスになりません。とハッキリと申し上げています。
新しい発想にもとづく事業を社内にしっかりと根付かせるためには、仕組みが必要であり、その前に「ああだ、こうだ」と情報が先走りすると、かえってプロジェクトの邪魔にさえなる。とまで申し上げています。
当社が社長向けセミナーを開催する理由は、プロジェクト前にビジョンと行動計画を設定し、その情報管理をしっかりしていただくことが、結果を変える最短の道になると考えるからです。
これを、社員に「ちょっと勉強してきて、報告して」と丸投げすると、社長として、知っておくべきことが伝わらず、ネガティブ情報(リストラ・残業カット)が先行し、最悪の場合、企業が成長出来ないことになるからです。
例えば、
①プロジェクト自体が上手くいかなかった時⇒だれが責任をとるのか?
②途中で暗礁にのりあげたら⇒どうやって前に進んでいくのか?
③プロジェクト予算はどう捻出する⇒ 回収策が見えない?
こういったことは、プロジェクトの中で、いずれ誰かが担うことになります。それが上手くできそうにないと感じた時「自分は苦手=自分の評価が下がる」といった思い込みによる誤解が生じます。
そのため、社長に伝わる報告は…
①(プロジェクトが)出来ない理由。
②(プロジェクトを)やらない理由。
③(プロジェクトの)予算がとれない理由。
といった、言葉に置き換わってしまうのです。
講演会での話は、時間的に限りがありお伝えできるのはほんの一部です。
一方、社としてどうやって利益を増やし成長軌道を描くのか?自社を題材に仮説をたてるのがセミナーであり、実践検証していくのがプロジェクトです。
会社の業績が上向きであるならばまだしも、風が吹けば飛んでしまうような利益率だとすれば、一刻も早く手をうたなくてはならないということです。
社内の「出来ない」を「出来る」に変え成長していくには、そのためのリソースを社長自身の目で探さなくてはなりません。
理由は簡単で、社内の優秀と思われてる人材でも、2年3年とその力を発揮し続けることはできないからです。
無理にアウトプットをさせ続ければ、思考は枯渇し、考えは行きづまります。あいつなら大丈夫、と昇格させても1年もたたないうちに、現状の業務をこなすだけの指示待ち人間になってしまうのはそのためで、こうした人材を育成する仕組みの無い会社の悲しい現実です。
ビジョンを設定し、行動計画が明文化されたプロジェクトでは多くの課題解決プロセスを経験できるので、次期経営人材の育成ができる。という大きなメリットがあります。
プロジェクトのキックオフで、社長が「プロジェクトを開始する」と宣言することで、
①出来ない理由⇒会社が責任をとるなら 個人のリスクはプラスになる。
②やらない理由⇒会社が背中を押してくれるなら 解決手法を入手できる。
③予算がとれない理由⇒予算が無くても 利益を増やす手法を手に入れる。
と、すべてがリセットされ、ひとりひとりが違いを生み出します。
「そうは言っても 予算(お金)がない…」という声が聞こえてきそうですが
店舗の改革を担う、店舗運営本部はは経費予算枠がありません。そのため、社内を変革の重要なポジションにもかかわらず、運営部長が、宣伝部や人事部、開発部、施設部といったお金を自由に使える部門に頭があがらないのも事実なのです。
そういった旧態依然の組織のまま、運営部長の仕事は社内調整役といった雑務に翻弄され続ければ、個店力は脆弱化するいく一方です。
語弊を恐れず申しあげますと、運営部長個人に問題あるのではなく、運営部長としての役割機能が不明確なことが問題なのです。
最たるものは、「店舗運営部長の使命は売上をあげること…」とトンチンカンな勘違いしているという事です。
冷静に考えてみればわかる事ですが、店舗運営部長は売上を上げることが、責務であるとすれば、商品改廃、チラシ、設備の改修全ての決裁権を持つことになります。
ところが、この中のどれ一つとして、運営部長には決裁権限がないのです。それゆえ、運営部長が各部門に陳情にいくという、ねじれ構造が生まれてしまうのです。
断っておきますが、運営部は売上を上げなくてもいいという事ではありません。あくまでも売上をあげるための決裁権限をもっていない。ということです。
「だったら、何もできない…」という声が聞こえてきそうですが、
「人時売上高を上げる」ことが、店舗運営部の役割になります。「人時売上を上げる」とは、少ない人数で店舗を運営できるようすることです。
店舗運営部は、人時という、社内でもっとも高い経費を使っている重要部門でありそれを改善するために、業務を改善の要望事項を、宣伝部、人事部、施設部門に要請していくことになります。
人は変わることを望まないもの。各主管部の心の扉を開くことができるのは、社長ご自身の言葉で「業務改革に皆協力して欲しい」繰り返しのメッセージを出し続けることが何よりも重要であることに変わりはありません。
この横断的な 活動を進めるために、プロジェクトには必ず、社長に入っていただくこともポイントとなります。
詳しくは、セミナーでお伝えしていますが、
ここのスタート時でのボタンの掛け違いさえ間違わなければ、高い確率で、業務改革は進める事が出来、店舗の人時は2割~3割少ない状態でも業務が回せるように変わっていきます。
さあ、貴社では、まだ社員の意識改革を呼びかける啓蒙活動だけで終わらせますか?それとも、構造部分に踏み込んだ、利益と人材生み出す業務改革をスタートをさせますか?
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