第151号:一流の経営者は生産性を追求する、二流の経営者は売上げを追求する
日本は人口減少時代に入り、市場が縮小してきています。そうした中で売上げを上げていくということがとても厳しくなってきているのです。
多くの企業は売上げ確保のために懸命に努力して何とか売上げを確保している状況だと思います。しかし、売上げ確保にとらわれるあまり、決算が終わってみたら利益はあまり残らなかったという会社が多数存在しています。そうした状況を改善していかなければ企業としての生き残ることはできません。
経営者は、売上げを追求する経営体質が会社を弱体化させていることに気づかなければいけないのです。早くそこに気がつかなければ、突然目の前からお客様や社員がいなくなり、手遅れになってしまいます。
人口減少と市場縮小の時代、一流の経営者は生産性を追求する
先週のコラムで紹介しましたが、副業の解禁より、今後は働き方が多様化する時代がやってきます。生産性を改善できない企業からは優秀な人材がどんどん流出してしまう恐れがあります。働き方改革への取り組みとして社員の待遇改善に取り組んでいる会社もありますが、待遇を改善するという行動は表面的な対処に過ぎません。待遇改善のために新しいスタッフを入れて労働時間を短縮したとしても、それによって生産性が下がっていれば、会社のリスクはますます大きくなるばかりなのです。
ここでのポイントは、待遇改善ではなく生産性の向上です。生産性とは、社員一人当たりの粗利益額のことをいいます。売上げが下がっても生産性が上がっていれば会社に利益を残すことができるのです。
生産性を上げるために重要なことは、価格の改定やサービスの見直し
例えば、生産性を2倍にする計画を立てたとします。これは極端にいえば、粗利率を2倍にするか、2人でやっていた仕事を1人でできるようにすることです。
しかし、売上げを優先する会社は、値引きをしたり、むやみに顧客の要望を聞き、無駄な業務を増やしたりしてしまいがちです。この習慣がとっても危険なのです。
生産性を上げるために重要なことは、価格の改定やサービスの見直しなのです。
ビジネスモデルが陳腐化し価格競争に巻き込まれている会社にとって、売上げを上げる行為と、生産性を上げる行動は全く逆といっても過言ではありません。
あなたの会社には生産性目標はありますか?
生産性目標を掲げ具体的に改善計画を打ち出すことが重要です。
まずは、生産性を2倍にするための計画を考えてみることをお勧めします。
それによりあなたの経営にイノベーションが起きるのです。
画像引用:photo AC
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