他社の成功事例をモノマネする営業強化が失敗する3つの理由と処方箋
コンサルティングを依頼される際、その会社が順風満帆というケースはまずありません。
創業から数えて、はじめて赤字になったとか?。社内で幾つも取り組みをやったが、どうにも上手くいかないとか・・・
なかには、大手コンサルティング会社や有名な先生に依頼したのに業績が下がり続けるだけでなく、余計に社内が混乱したという笑えない話までありました。
こういう羽目に陥る原因は、大きく3つあります。
本日は、この数年以内で営業強化に取り組んでいるのに、ほとんどが失敗だったり、経営者が思うほど効果が上がらない理由と処方箋についてお伝えします。
「いままでも、営業強化はやってきているんですが・・・」
「毎年、色んなセミナーや研修に参加しているんですが・・・」
コンサルティングご相談の際、勉強熱心な経営者や社内研修を実施している会社から、上記のような話が出てくることがあります。
詳しく話をきくと、社長が話題のビジネス書を読んで社内で取り組んでみたとか、業界で有名な先生・大手コンサルティング会社に学んで・・・といったケースが多かったりします。
他社でうまくいった事例がなぜ、自社で上手くいかないか?
その大きな原因は、1つは手法そのものにあります。
例えば、地方の家族経営3人の八百屋さんでうまくいった営業の話と、Amazonのマーケティング手法であれば、どちらがビジネス書になりやすいでしょうか?、またセミナー開催されるでしょうか?
残念ながら、よく知らない会社の話よりも、みんなが知る大企業の事例がニュースになりやすいですし、ビジネス書やセミナーでは不特定多数にアピールしやすいのです。
しかし、中小企業がそんな大企業のやっている手法を実際に現場で実施できるでしょうか?
2つ目は、手法の取り入れ方にあります。
御社の今までの営業強化では、「すぐモノマネできて」、かつ「売上が大きく○億単位でアップ」するものを求めていませんでしたか?
そもそも、「すぐモノマネできる」と、「売上が○億もアップ」するというのは相反するものです。
「すぐモノマネできる」≒営業強化の手法として小手先・どの会社も実施可能
「売上が○億アップ」≒営業強化の手法として骨太・御社の現場にドンピシャ
確かに、10年前ならホームページや名刺を変えるだけで問合せや売上を増やせる可能性がある程度は存在しました。しかし、昨今では、表面上それだけ変えてもアピール度は高まっても、それだけで売上が○億もアップするほど単純ではありません。
にも関わらず、「簡単にマネできて、しかも売上○億円」を一瞬で上げられるようなものを、常に探し続けているケースをいまだに散見します。
そして、最後にしてかつ現状、中小企業の営業現場で最大の悩みといえるのが、いままでの営業のやり方が通用しなくなっているということです。
こういう現象が出ている理由の多くは、決して、現場の営業マンが手を抜いたり、ベテラン営業マンの営業力がさび付いているからではありません。
また、仮に、いま話題となっており、かつ営業会議でも出てくる人手不足にひきづられて、新たに営業マンを採用しても、なんら解決には向かいません。
なぜなら、その原因はもっと別のところにあるからです。
営業現場の状況が、平成に入ってから、数年単位で大きく変化し続けていることにより、経営者や管理職が過去に自分自身がやってきて、今もやろうと思えば実施できる人間関係を構築して、そこから売上を積上げていく手法が、都市部・大口案件になるほど、実施するのが難しくなっているからです。
具体的には、挨拶しようにも受付に電話が1台あるだけだったり、新規電話しても担当者情報はめったに教えてくれない・・・等々
そして、3番目の原因については、御社固有のものが必ず存在しており、他社のモノマネでは対応しきれないのです。
いままで述べてきた3つの勘違い・悩みに共通するのは、そもそも、問題解決の把握と、そこへの対応の前提がずれていることにあります。
あのドラッカーも次のような言葉を残しています。
「最もやってはいけないのは、間違った方法を、正しく行うことである」
さて、最後に本日お伝えした内容に対しての処方箋+ヒントです。
この機会に、一度、いままでのことを振り返ってみられてはいかがでしょか?
御社がいままで、数億~十億単位で売上アップしたいと考えた営業強化は、根本的な改革だったしょうか?。小手先の変更だったしょうか?
また、それらは御社の現場や組織にあう内容で、かつ実行可能なものだったでしょうか?
今後、営業強化する際、これらを立ち止まって考えてみるだけでも、意思決定と成功確率は随分と変わるでしょう。
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