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小規模、社員5人で年商2億の会社に見る成長のノビシロ

SPECIAL

<実戦型> 経営デザインコンサルタント

株式会社日本BIP&コンサルティング・サービス

代表取締役 

<実戦型> 経営デザインコンサルタント。日本で唯一、世界ブランドのノウハウを日本の中小企業に落とし込み、経営をデザインして、即戦力で活躍する人財育成と組織づくりの専門家。世界的半導体製造装置メーカーに20年以上勤務する中で世界14ヵ国、50以上のプロジェクトを世界トップ企業との現場業務に従事。経営者が組込まれなくても回る事業の機能デザインから人財育成を含むオペレーションで大きな成果を上げている。

【今日の提言】

出来る社長は、自分の不足に素直で教えを乞い、将来の投資として仕組という時間を買う。

一般社長は迫っている危機にも気づかず、現場に翻弄し同じ過ちの時間を切り売りする。

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先日ご相談をされたK社長。

「事業の成長ノビシロがあるとおっしゃってましたが、どういうことでしょうか?」

建設業の会社を一から立ち上げ、5人の社員と共に年商2億強。営業は初期に自動化し、常に受注が入る仕組。

「K社長、年商5億はすぐ行きます。その後の戦略的展開では、10億、20億と行けます。」

 

K社長との出会い

毎年健康管理で行く某所にジュース断食と湯治で行った先で、休憩がてらに寄った新設のカフェを発見し、立ち寄ったことがきっかけでK社長とはそこで知り合った。

常連さんのようで、週末よくそのカフェには時間があるたびに寄るようで、話をしている時に、自然の流れで経営の話となっていった。

 

視点の違い

事業の話が進むと、K社長のズバ抜けた経営センスと頭の良さが分かった。営業を自動化し、受注した大小の仕事をあとは現場で捌くだけ。

多くの会社が集客で悩むところを一番先に解決してしまっているのである。

また、社員にもそれなりに情があり、会社の経費で落とせる必要なものは惜しみなく与えており、普段の業務もクラウド化し、全員で共有できるようにしている。

そこまで出来ているK社長が発した一言

「現状維持」

現状維持とは、ズバリ衰退を意味する。すぐに衰退するのではなく、気づけば衰退していた、と言う状況に陥る業者を前職の時に何度とみてきた。

身近な所では、洗濯洗剤でさえ日々開発・進化しているわけで、社長が現場に組み込まれる仕組のまま現状維持は実にもったいない。

なぜなら、そこにはビジネスモデルとしての仕組が既に出来ているからである。

ここでK社長にお話したのは、前職の世界的企業での経験で、国内外50以上のプロジェクトの現場で培った視点で、「大企業は中小企業を見て何をどうすればいいのか分かる。しかし、中小企業は大企業を見ても、どのようにして大きくなれたかその違いが分からない」と言う話だった。

その内容は、大企業では普段やっている業務やコンプライアンスを含め、仕組の中でこなしていることが多く、日々改善を余儀なくされているのが日課であり、当たり前にやっているのである。中小企業の業者視察や選定をしたときに、「改善の余地」という、ギャップとして分かるのである。

大企業の場合、一つのプロジェクトで動く金額が数百億円。部下には高卒も高専卒や専門学校卒ももちろん含まれ、同じように数百億円のプロジェクトを動かしている。これに対し、中小企業では会社の年商が数億円から数十億円、少し大きくなれば数百億円である。成長企業になるには、普段からハイスペック、ハイレベルでの基準で業務をこなせるように方向修正し、人財を育成していくしかないのである。

 

会社の事業をいちプロジェクトと考える

K社長の事業を小規模プロジェクトと考えると、そのプロジェクトは確実に回っている。そのプロジェクトを1から2に増やすには何が必要だろうか。

最初に考えることは、プロジェクトリーダーである社長が、その仕組みにガッツリ組み込まれないようにすることが先決である。スタートアップの時は、現場での指揮は必要であるが、ある程度回るようになってきたら、強制的にでももう一つ同じプロジェクトを回す必要があるそうでもしないと、いつまで経っても手離れが悪く、部下も自ら考え行動できるようには育たない。

 

社長は、5つのプロジェクトを同時に回せ

合計して数千億の5つの開発プロジェクトを同時に走らせている時は、プロジェクトの初めは全ての現場に関わり、それぞれのチームで回し、顧客との英語で行うミーティングや資料作り、プレゼンテーション、ミクロ単位を扱うデーターや解析の見解から導き出す解決案など、英語が出来ようが出来まいが、出来る限りチームメンバーも関わらせ、リーダーが捉われないように業務の移行を強制的にしていく。

K社長の場合、年商2億をたたき出す土台(コア・ビジネス)が出来、このプロジェクトを2つ、3つと増やしていくことつまり、チームを増やすことである。その中でも、「ここを外すと出来ない」となるコアを如何に全員が出来るレベルに落としていくのかが肝要となることは言うまでもない。

 

必要なものは必然と決まっている

コア・ビジネスを2つ、3つと作る場合、必ずと言っていいほど最初にぶち当たる壁は「人材をどうするか?」である。

「逸材」を探す中小企業が多いが、この問題はどこの企業でも大小関わらず根本は同じである。業務の基準やレベル、規模によって求める人材もそれ同等かもしくはそれ以上を求めるのである。

しかし、「逸材」や「いい人材」と言っている会社に限って会社案内のパンフレットはない、入社後のオリエンテーションはない、会社のビジョンや行動指針もない、社員が成長出来る制度や将来目標とする成長曲線(キャリアパス)さえも見えないのが現状で、そこに人生の72%もの時間を職場に費やす為に、そのような会社に「逸材」が来るだろうか。自身に置き換えて考えて欲しいものである。

その殆どの場合、原因は社長自ら「どうしたいのか?」、将来の夢やトレンドが描けず、「現場に出て必要とされたい」というエゴがあり、現場に出てないと「落ち着かない」のではないだろうか。

K社長の会社も、プロジェクトチームを増やすと、確実に人手を増やすことになり、逸材を求めるだろうが、そもそも逸材なんていつ来るか分からないものを、指をくわえて待つことは出来ない。

さて、どうすればいいだろうか。

それこそ自社養成である。この人財の自社養成こそがその会社の業績を上げる基本となり、またその会社が設ける「必要不可欠」な部分を短期間で徹底的に教え込み、訓練し、実践できるように実装することである。

それを可能にするのが、「社内インストラクター制度」であり、社員増加に伴う「仕組づくりと育成を補うブレイン」となるのである。

この「ブレイン」となる社長を含めたメンバーが全ての育成を統括し、徹底的に自社の基準と規定、コンプライアンスを徹底させ、会社全体のレベルを上げ、成長企業へと進む要となるのである。

 

社長は発する一語いちごに気を付けるべき

この統一したレベルでの徹底した人財育成がなされない会社は、社長が現場を仕切り、全ての判断をしているので、社員が社長の間違えに気づいても「言えない」という精神的圧力がかかっていることを知る必要がある。社長の一言は社員からすると「絶対」であり、それほど重いことに気づいていない社長が多いのも事実である。

こういった社風は、自ずと隠ぺい体質へと変貌し、何か起きたときに問いただして発覚するケースが多い。これでは、会社の基準を上げ、業績向上や成長企業へと変化させるという次元には到底達することは出来ないはずである。

 

社長が現場に組み込まれない仕組こそ真の組織

しかし、一度この「インストラクター制度」の仕組みが社内に出来てしまえば、あとは進化させながら回せば良いだけで、「逸材」を待つより「逸材を作る」のである。面白いことに、今まで50以上もの国内外でのプロジェクトの教育現場の経験から、国民性や人種は殆ど関係ないのである。

その仕組みは、大きくなってから作るより小さいうちから作る方が、効果や効率、ROI(費用対効果)、浸透性が高いことは中学生でも分かる話である。

大小規模のプロジェクトを回すメンバーは、大企業の場合、必然とこの徹底した人財育成を受け、そこには作業やサービスの品質はもちろん、「何の為にそれをするのか」まで含めた内容となることで、社内の基準とレベルは自ずと上がり、そこに人事・評価制度を組み込めば成長企業へと変貌するのである。

悲しいかな、最近ではその人財育成さえ外注に丸投げし、違うDNAや考えが植え付けられている企業も多くなっているのが現状である。

K社長の気質と機転の利かせ方から、「インストラクター制度」を導入し、自社養成の仕組が完成すると、業界のレベルを上げるために教育機関設立やこの仕組みを他事業へと展開出来ることに気が付くはずである。その副産物こそが「金のなる木の種」となり、育てることが出来るのである。

 

結局は、社長が決断し肚を括らなければ、何も起きない。

 

それはどういうことかと言うと、「会社の業績を上げる」と決断し、個別相談(スポット・コンサルティング)に行き、一番肝となる「インストラクター制度という仕組づくりを導入する」と決めることで、成長企業の階段を上り始めるのである。

「人が喜ぶことをしたい」そう最後に言ったK社長。その人柄や気質、機転の利かせ方や話の内容から、心底「人を大切にする」そんな意気な社長を応援したい。

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