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社員の変化は10年かかる!は○○○です。

SPECIAL

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート

代表取締役 

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

ある業界のトップの企業のY社長。折り入って相談があると弊社にお越しになりました。

Y社長は、創業から数えて5代目の社長。4代目までは、創業家出身の世襲制だったそうです。Y社長が初の生え抜きの社長です。温和な語り口ながら、時々見せるキラリと目の奥が光ります。相当な営業力をお持ちだったんだという印象を私は受けました。

業界トップとはいえ、業界全体は規模が縮小する中で、シェアを更に拡大し、PB商品等の開発などを手がけていきたいとお考えでした。

Y社長の代になって、業界3位からトップに躍り出て、シェア拡大の一途でしたがここ数年は、2番手、3番手の追い上げが激しく、製造元に対する発言力の低下を非常に懸念されていました。


Y社長は言います。代が変わってからそれまでのやり方を全部変えたのだと。一番大きな改革は、年功序列制度を止めたことでした。そして、営業のやり方、プロセスを変え、見事に業界トップの座を勝ち取ったと。

年功序列制度から、インセンティブ制度に変えた時は、多くの社員が辞め、一時的に売上げが停滞したそうです。ところが、その後、筋肉質の組織に生まれ変わったと胸を張りました。

人と組織にまつわる話を伺う中で、Y社長自らが手をかけたという、50代の男性の話には、特に熱が入りました。

ダメダメ営業マンが、様々な試みを経て、最後は営業部長になったという逆転劇。その営業マンが43,4の頃、上司からも部下からも信頼を失い、退職の相談を隣の部門の部長にしたそうです。その時の部長が、今のY社長。

Y社長は何度もその男性と膝をつき合わせて話、間接的に指導を繰り返したそうです。いろいろと注意するも聞く耳を持たず、やがてYさん自ら降格を進言し、減給もしたそうです。なんとか這い上がって欲しい。その思いもむなしく時間は過ぎていきました。

それから数年後、何が転機か定かではかったのですが、その方は変わり始めたそうです。いつの間にか、営業のトップグループにいつも顔を出すようになりました。

そして、ついに、かつてYさんが率いた部門のトップとして、営業部長になり退職までの間、勤め上げたというのです。その男性の話の最後にY社長がいった言葉が印象的に残っています。

それは、「結局かわるまで10年かかったけど、人なんてそんなもんだろう。」そう締めくくっていました。


Y社長にお会いしてから数日の後、50億円規模の会社の社長と話す機会がありました。偶然にもその社長も、「人が変わるのは時間がかかる、10年かかった。。。」そんなお話をしていたのです。

「世の中は悪人だらけ」そう決めてかかると、人はその「決めてかかったこと」に影響を受けています。

悪人だらけなんだから、絶対に信用してはだめ。
悪人だらけなんだから、常に監視しないとだめ。
悪人だらけなんだから、原則「NO」と答えるところから。

何を是として、何を非とするか。これは、リビングの照明のスイッチをパチパチ、パチパチと、切り替えるが如く、ほんの些細な違いですが、人の行動には大きな影響を与えます。何を前提としているのか、それが人の行動、言動を決めていくのです。

仕事に関わることは、仕事を通して得た、経験からいつしか前提が作られていきます。知らず知らず、さまざまな前提が作られていくわけですが、特に経営者の場合は、その影響は小さくないので注意が必要です。


そうした前提の一つが「社員の行動変化が変わるのには時間がかかる」です。実際、そう考えている経営者は少なくありません。

確かに、今日の明日で行動は変わることはまずありません。しかし、多くの経営者が自ら経験した結果、10年かかる、、、といわれると、本当に残念だなと思います。

私自身、組織をまとめる力が無かった頃、否、組織を次々に破壊していた頃、「人なんかそうそう変わらない」と言ってはばかりませんでした。

ですから、「社員の行動は時間がかかるもの」と経験からそう感じ、それがいつか確信に変わったに相違ないことはよくわかります。

しかし、それは間違いなのです。

創業経営者の場合は、特にその間違いに気がつかず、その「間違った前提」に縛られてしまう方が多いです。

マネジメントがしたくて起業する人はいません。必要に迫られてマネジメントに携わっているのです。

取引先からゴルフを誘われて、断り切れずにやることになり、見よう見まねで練習して備える。そんな状態に似ています。

ビギナーズラックはあるかもしれませんが、我流ゴルフで急速に上手になることはありません。

一方、途中からゴルフ教室に通い、正しい練習のステップをして、指摘を受けながら、フォームを改善していくと、短期間に驚くほどスコアが上がります。

この違いは、筋肉の量が変わったり、反射スピードが2倍速になった結果に起こるのでは
ありません。あくまでも、「正しいやり方」に巡り会ったか否かという小さな違い。長い時間で考えると、ほんの短期間にその技術を詰め込むことで、驚くほど大きな違いを生み出すことができます。


情熱と根気があれば、長い時間をかけて社員の変化を生み出すことはできるでしょう。ですが、どう考えても、10年は時間がかかりすぎです。100人いたら、延べ1000年かかる計算です。これでは組織が持たない。

変化すること、これは貴重なことですが、それだけでは十分ではありません。変化と、そのスピードが重要なのです。

変化のスピードは些細な違いから生まれます。それは、「人は変わるのに時間がかかる」という前提を捨てること。そして、変化のスピードを上げるための方法を追求することです。


余談ですが、Y社長から詳しく聞いたことがあります。その中の一つは、Y社長が改革したものの中で、何が有効で、何が有効ではなかったのか?を確認をしていきました。Y社長が自ら話していて、驚いた顔をされていた印象的なことがありました。

インセンティブを導入後の変化にまつわる内容です。私が聞いたのは、実際にどれだけの人の行動が変わったか。導入当初がもっとも顕著な違いがあったそうですが、実際に行動が変わったのは2-3割だそうです。

今問題になっているベテラン社員は、動かなかった7-8割社員がぶら下がり社員として問題になっていったと。このお話した時、「動いたのは、2-3割だったんだよなぁ」と独りごちていました。


さて御社は如何でしょうか?

御社の経営幹部は、社員を着実に変化させる技術を手にしているでしょうか?
それとも、10年かけたら変わるかもしれない、もしくは変わらないかもしれない、壮大な実験を繰り返しているでしょうか?

組織の成長スピードに、社員の成長スピードはついていっていますか?

 

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