「正しい現状把握」と「間違った現状把握」の成果の違い
日々の仕事に追われて、正しい現状把握ができていない企業が目立ちます。
先日も、ある高級レストランを展開している企業で「顧客満足度が下がっている」という現状の課題を改善する為の会議が行われました。
その会議では、顧客アンケートから「料理の量・質」「ドリンクの種類と提供時間」「サービススタッフの対応」等から分析し、
「料理の品数を見直してはどうか?」
「ファーストドリンクの提供時間を早くするにはどうしたら良いか?」
等、様々な議論がなされました。
これはこれで、お客様の声を聞き、それに応じた改善をするということは大切なのですが、私はこの企業を見ていて、顧客満足度が上がらない理由は他にあるのではないかと感じていました。
その私が感じていたというのは、
「スタッフの笑顔がない」
「スタッフの入れ替わりが激しい」
「店のムードが暗い」
など、そこを改善しない限り、顧客満足度の向上はあり得ない思った私は、社長にお願いをして、研修兼ワークショップを店舗メンバーで開催することにしました。
これは、私が正しい現状把握をする際によくやる方法なのですが、スタッフヒアリングやアンケートでは、本音の部分や、真の課題を吸い上げられないケースが多いのが現状です。
そこで「ホスピタリティ研修」という名目で、ホスピタリティという「相手に貢献する意味」や「利己ではなく、利他の大切さ」を学んでいただきながら、
「この組織をどうしていきたいか?」
「今、自分達に足りないものは何か?」
「何の為に、私たちはこの仕事をしているのか?」
といったことをホスピタリティを通して考えるワークショップを、メンバー全員で議論し合います。
そうすると、その企業、組織によって現状の課題は様々なのですが、この企業から抽出された課題は、
「スタッフがこの店を愛せていない」
という課題でした。
それは、
「厨房とホールの関係性があまり良くない。」
「スタッフ同士のコミュニケーションが希薄」
仕事への向き合い方も、
「お客様に喜んでもらうというより、やらされ感」
「給料をもらう為に仕方なく仕事をしている」
といった感じでした。
どうでしょう?
このようなマインドで、幾らアンケートの課題改善をしたところで、所詮「やらされ感」で小手先の改善は、真の顧客満足の向上に繋がるとはとても思えません。
このように「現状把握」の仕方を間違えると、幾ら改善策を考え、実行しても徒労に終わります。
今までであれば、多少、ムダになっても、遠回りをしても少しでも改善に向かえば「良し」という時代でしたが、これからの時代は、人財不足、生産性の観点からも、そんなことにムダな時間を使っている余裕はありません。
従って、正しく現状の把握をし、それに対して効果的な改善策を立て、実行することが重要となります。
そして、大切なのは会社が改善策を考えて与えるのではなく「現場の本人たちで考えて改善、解決させること」が重要です。
そうしないと、いつまで経っても「他人事」であり、「自分事」になりません。
結局、この企業に関しては、この店を全員が愛する為にはどうしたら良いか?を定期的なミーティングを通じて自分達で考えてもらい、実行していただきました。
例えば、
「この店を作った社長の想いをヒアリングする」
「みんなで、野菜を仕入れている契約農家に収穫に行く」
「地域のイベントに全員で参加する」
「ありがとうボードを作り、仲間に感謝を伝える」
など「この店をみんなが愛する為」の様々なアクションが実行されました。
結果的に、
口コミも含めた顧客満足度も上がり、離職率を大幅に下がり、スタッフの笑顔も増え、翌年の高い売上目標も見事達成しました。
あなたの会社は、効果的に現状把握できていますか?
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