「継続は力なり」の意味をはき違えてないか?
「がんばれば報われる、というのとは違うと思うのですが……」
という質問をしたのは、隣に座っていた女性でした。
先日、ある経営者向けワークショップでの質問。パネラーは2人。お二方とも輝かしい実績を残して、今は第一線を退き、後進の育成に力を入れている方です。
質問は「やめるタイミングについて」。
質問をした方は、知財関連の事業をする女性経営者の方。
「このまま続けるか、やめるか、という場合、がんばれば報われるという精神論は違うと思う」と、はっきり言い切っていました。事業で最終判断を立場として「続けるか、やめるかの見極めはどのようにしているか?」という内容です。
パネラーのお一方は、右脳思考の感性の強い方で、その答えは「2、3回やってみて、判断する。ダメだなと思ったら、引き際は早い」という答え。
もうお一方は、左脳思考の方で、「実際にマーケットがあるか、その調査を徹底的にやって、ないと判断したらやめる。あるとなったら、とことんやる」という答え。
結局、そのサービスを必要とする方がいて、そこで展開するならば、根性・忍耐でやり続けるのもあり。サービスを必要とする人がそこにいるのか?それが問題になるわけで、がんばっても報われないものは報われない。報われる場所でやるしかない、ということです。
最近では、経営者に限らず、精神論だけで仕事をする人は少ない気はします。ですが、「続けることに意義がある」とばかりに、「がんばって続ける」ことだけを重要視している人も実際にはいます。
事業は、継続するだけで当然ながらコストが発生します。どんどんコストだけが膨らんでいることを無視して、「ここがふんばりどき!」と、ただただ続けることが良いとしているのであれば、それはいかがなものでしょうか?
「継続は力なり」という言葉があります。
私自身、この言葉を座右の銘としています。
何事も継続をすることは大変なこと。ですが、ここでいう「継続」は、結果を出したときの途中継続のこと。目的は「結果」です。ところがただただ続けている「継続」は、続けること自体が目的となってしまっています。要は「結果」が抜け落ちているわけです。
「継続は力なり」とはいえ、ある程度の期間、予算を決めて、そのなかでここまでマイナスが出たら、ここでやめる、というライン決めは必要だと考えます。やはり、「根性」「忍耐」と言いながらやっていることは、大きなプラスを生むエネルギーにはつながらず、続けることにだけパワーを費やすことになる気がしてなりません。
「続けること」ばかりを重要視して、「やめどき」を見失う。
これは避けたいことです。
また、他の方から、「年商〇〇〇万円を目指したいのですが~~」という質問が出ました。その返答が、妙に私自身で腹落ちがしました。
「人を動かすときに、数字を目標にした段階でダメ。それによってどうなるのか、それを見据えて~」といった内容でした。事業継続のための数字は必須ですが、数字だけでも人は動かない。
「継続は力なり!」「売上目標〇〇〇円!」と、大きく掲げそうなキャッチフレーズですが、このあたりの使い方が、人をやる気にさせる、やる気をそぐ、その分かれ目となるのでしょう。
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