投資、消費、浪費
「お金」の使い方には3種類あります。経営者の皆さんはすでにご存じの方も多いと思いますが、「投資」「消費」「浪費」の3つですね。投資は【支出<価値】となり、使ったお金以上の価値を生みだすことを目的とします。消費は【支出=価値】で、使ったお金と同等の価値となるものに対しての支出であり、言わば必要経費というニュアンスです。最後に浪費は【支出>価値】で使ったお金ほどの価値がないものに対しての、まさに無駄遣いといった意味になります。
この考え方はお金だけでなく、「時間」、「労力」に対しても使うことができます。また、会社だけでなく個人にも当てはめることができ、活用の幅は日常生活から経営者の意思決定まで非常に広くなっています。知らなかった方は、これからしっかりと活用しないと人生の大半を無駄遣いしてしまうことにもなりかねないでしょう。
さて、これを店舗ビジネスで考えてみます。「投資」が大事なのは言わずもがなであり、代表的なものは商品開発や店舗設備への投資です。「消費」は現状維持するための支出と考えればわかりやすくなりますね。通常時の材料費や水道光熱費、家賃などが挙げられます。
「浪費」については、無自覚な人が多いと考えられますが、良く見受けられるのが接待交際費です。これについてはほとんどが無駄遣いと思って間違いありません。またプライベートでの食費や、仕事では使わない個人的嗜好の服や雑貨類を経費で落としたり、あるいは節税対策と称して車を購入するなど、様々な形で浪費は表れてきます。
会社経営の肝としては、まず一切の「浪費」をやめることです。浪費をしたければ個人の財布から出すべきであり、会社のお金を使うことは言語道断です。浪費をしている経営者は例外なく油断しています。お金をはじめ、時間、労力を無駄遣いしていることに気が付いていないか、わかっていても自分は特別だと勘違いをしているのです。
経営者は浪費をカットしたうえで、投資、消費のバランスを考えていく必要があります。ただ、時には投資が無駄になることもあり、結果的に浪費のような見え方になる場合もありますが、投資と浪費を見分ける一番わかりやすい方法があります。
それは投資の際、「従業員に対し堂々と面と向かって説明ができ、納得してもらえるか」です。投資の確実性を担保するのは難しいですが、それでもこれで大半の浪費は無くなります。経営者の独断だけではいずれ失敗します。特に「浪費」は戦争を起こし、国を潰すほどの大事となりえるのです。
経営者の皆さん。
投資の際、従業員に説明していますか?
その服は仕事で使いますか?
その食費は本当に接待ですか?
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