親子経営 繁盛と繁栄の秘策35
プロローグ
今回のテーマは「親子経営 繁栄と繁盛の秘策35」です。世の中には後継者がおらず廃業せざる負えない企業がたくさんあるなか、幸せなことに親子で経営ができる企業がたくさんあります。
しかし、その幸運なはずの親子経営が実はとても難しいのだということが広く知られるようになりました。親子経営が難しいというその原因が何かというと、親子だからということに尽きます。何故なら、親子の関係性がとても複雑だからです。歴史上多くの著名な先人たちが親子の関係性の難しさ故、たくさんの悲喜劇を残しているのは承知の通りです。
親にとって子供とは誠に摩訶不思議な存在です。自分の分身であると同時に決して自分ではない存在。親にとって何ものにも代えがたい大切な存在であると同時にとても厄介このうえない存在。
それは最も愛する存在であり、ややもすると執着の対象となる存在。
最も素晴らしい存在であると同時に何かひとつ流れが悪くなれば最も自分に抗い苦しめられる存在、さらには最も自分の足を引っ張ることになる存在。また、最も幸せを与えてくれるものであると同時に最も不幸をもたらす存在。
それが親にとっての子供という存在です。それ故、これまでも今もそしてこれからも延々と多くの親子が、日々悲喜劇を演じ続けることになります。
今年に入り、気になるニュースが二つありました。まずひとつが「ロッテ」です。
ロッテグループのロッテ商事の社長である61歳の長男が臨時株主総会において突然すべての役職から外されました。まさに本人にとっては晴天の霹靂ともいうべき解任劇でした。
聞くところによればグループ会社会長である父親の逆鱗に触れたことが原因だと言われています。ロッテグループといえば非上場ながら日本、韓国はじめ海外事業すべてで約6兆円の売り上げを誇る大企業です。会長である父親は90才を超える高齢でありながらもグループに君臨し続けています。
解任された長男は60才を超えており、文字通り後継者だと思われていたにもかかわらず、突然の出来事に誰もが唖然としたと伝えられています。一般世間の常識では理解されないことかもしれませんが、父親が経営者で子供が後継者だということを考えるとどの企業でも起こり得ることです。何故なら複雑な関係性を持つ親子だから当然起こることです。
さてもうひとつのニュースは「大塚家具」です。今回の騒動については世間の注目を多く集めましたので、詳細は省きます。このケースも問題の本質は親子の関係性にあります。
父親と長女の不和がもたらした騒動です。長年に渡る父親と長女の確執が表面化したことに過ぎません。互いに相手に対して少しずつの配慮があればと残念に思っています。
この直近の二つのお家騒動から分かる通り、ともに問題の本質は「親子の関係性」にあります。親子の関係性が上手く維持されてさえあればこのような事態を招くことはありません。また親子の強い信頼関係と堅い絆がその企業の持つオーナー企業、ファミリー企業としての強みを更なる強みとして、更なる企業の発展と成長に寄与することは明白です。
父親にとって厄介な存在でもある子供と、子供にとってこれもまたとても厄介な存在である父親と、どのようにすれば互いに上手く付き合っていくことができるのか、そのとても厄介な問題について、父親がやるべきこと、子供がやるべきこと、父親がしてはならないこと、子供がしてはならないこと、そしてふたりで取り組むべきことをそれぞれ7つずつ、計35の秘策をご紹介します。
※本文中に友人永松昌泰君の「森羅万象セミナー」講義録より一部引用させて頂きました。感謝とお礼を申し上げます。
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