3年後の自分から、今の自分を見る。
From ノグチ
桜舞い散る、練馬区の桜並木の通りで、、、。
「大変だ!
息子にこんな想いをさえられない!
とにかくそう思って、契約したんです。」
「だから、契約が終わったら、
契約書は、金庫に入れて、お仕舞い。
見返さなくてもいいや、と思っていました。」
相続税対策が、事業承継?
中小企業の経営者の大きな心配は、事業承継。
商売をついてくれるかどうか。
商売の継続に、大きく立ちはだかるのが、相続問題です。
父親が、多額のコンサル料金を支払って、相続対策を実行した。
大きな土地の承継をした。
多額の税金を払った。
相続対策は、完了ですね。
これからは、お金を貯めて下さいね、お父さんも安心するから。
相談した税理士から、そういわれた。
相続対策と言っても、何が対策になるのか実感のない侭多額の納税をした。
納税の手配をしてくれたのが、銀行の支店長だった。
こんなに大きなお金を動かして、いいのだろうか?
税理士への信頼半分・不安が半分。
しかし、銀行支店長から、
「そうですか凄い決断をしましたね。さすが社長は違いますね。」
あ~、大丈夫か、、、大手銀行の支店長からお墨付きだと、胸をなで下ろしました。
心配してくれたのは、支店長だった。
大口の支払手続きが完了して程なく、銀行の支店長から連絡が入りました。
「大変でしたね~、今後の対策で協力できる事があるかも知れませんので、一度お伺いして、、、」
大手銀行の支店長は、この地域の経営者の相談に乗っていると話します。
「相談に乗りますよ」と穏やかな口調で話しをします。
すると、お子さんの事はいかがか?と水を向けられました。
相続で、こんなに心配をしなきゃならないなんて、、、
子供には、こんな想いをさせたくない!
そうですよね!
とんとん拍子に話が進み、大口の保険に加入。
あ~、これで全て終わった。
これで安心だ。
一年ほど経ってから、父親の口から体調不良の話が出るようになってきました。
高齢だから仕方がない。
病院だとか、介護だとか、お金がドンドン出ていく、、、
そこで、ハタと気がつく、、、、
なぜ、父親にお金がないのか?
相続の対策を沢山実行した。
父親の現金がなくなることが良い対策だと信じていた。
ドンドン減らしていく対策をとったので、相続税は低くなる。
税理士が、「これだけあれば、納税できますね」と言ったのは、現状の商売も順調で、手持ち資金が減らずにいるのが前提条件
父親の病気や、介護に使う資金など、想定外だ。
3年後、どうなっていたいの?
金がないから、充分な介護をしてられない。
それじゃ、資産を相続する子供として、本末転倒。
親が手にしている財産は、本人のために使うべきお金だよね。
事業承継してほしいから、、、、
子供には迷惑かけたくないから、、、、
相続対策は、子供のためだから、、、、、
相続税の不安から、お金を減らしていくのが一番だと思っていたけれど、現実は、もっとお金を増やす方法をとることじゃないか?
3年後、もし、高齢の父親が亡くなるとすれば、私はどういう状態で父を看取りたいだろうか?
場所は、家族の状況は、そして心持ちは?
時間軸。
3年後の自分から、今の自分に何を言うか?
「まだ、自分が父親の相続も終えていないのに、自分の相続を想像して保険に入るのは時期尚早でしたね。父親を見送ることに集中しますよ。」
そうおっしゃった経営者の顔は、すがすがしく輝いていました。
―ノグチ
PS.
私ごとですが、昨年父親を亡くして、相続手続きを進めております。
遺族年金なるものを、母親が受けられるとなり、ありがたいやら、これだから年金は国家予算を食いつぶすと思ったり、、、。いえ、全くありがたいです。
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