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やれてる会社でも、実は人はいない

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

コンサルタントとして環境ビジネスの海外展開に関わっていると、よく社長から「ウチは人材が弱みで・・」とか、「英語のできる人材がいないんです。」という声に出会うことがあります。確かに、英語が喋れて外国の企業とも交渉できる人材がいてくれれば海外展開を考えたい、という気持ちもわからなくはありません。 

でもそういう人材がいないと仕事にならないとうのは、私に言わせるといささか短絡が過ぎるのです。逆に、海外展開できている会社でも必ずしも人材が豊かなわけでもなければ、英語による交渉力が十分にあるというわけではありません。 

2019年現在、かなりの部分はIT技術の進歩によって、英語による仕事が昔ほど難しいものではなくなってきていることが、まだ十分には知られていないのかもしれないと思い、今日はそのあたりを少し詳しくご案内してみます。

 1. 読む・書く

最近では、海外とのビジネスコミュニケーションのほとんどが電子メールになってきている状況だと思います。どうしても先方が電話による対話を望む、というような場合でなければ、基本的に電子メールでのやりとりで済むのですが、その場合はGoogle辞書を使って相手の文章を読み、こちらから打つ文章については「ココナラ」などのネット翻訳サービスを使えばスムースに英語にしてくれます。多少英語が使える人なら、自分で書いた英語をチェックしてくれるサービスもありますので、そちらのほうが割安だと思います。

 2. 話す

最近のAI自動翻訳機は、かなり込み入った日本語でもだいぶ正確に英語にしてくれます。これは自社の商品を説明するなど、定型の文章を話すときに最もその力を発揮します。すなわち、予め決まった文章を翻訳し、それを暗記しておくのです。 

・・と、ここまで聞いて「なるほどそれならやれる!」と考え方が変わった人はあまり多くないかもしれません。これらはそもそもあまりインパクトのあるニュースではなく、科学技術の発達についてあちこちで取り上げられている情報にすぎないのです。 

それなのにどうして、と思われた方のギモンにお答えすると、海外ビジネスに挑戦して、そこそこやれている会社も実はそれほど人材に恵まれているわけではない、という事実があるからなのです。せいぜい上で紹介した1.と2.くらいが出来れば、あとは「何とかなる!」式の挑戦でどうにかこうにか商談が動いているという場合も少なくない、ということなのです。強いて言えば、これまでの2点に加えて、

 3. ガイド役を配置する

外部人材で業界のことが分かっていて、英語のチェックをかけてくれるくらいの実力ある専門家を雇う、ということです。最近はインターネットを介して世界中どこにいてもさほど長いリードタイムを取らずに英語の精緻化がカンタンに確認できるのです。この部分を担保できるかどうかで、英語に自信のない社員でも海外とのやり取りができるようになるかどうかが決まると言っても過言ではないでしょう。 

ここで述べた1.~3.までを総合的に実施すれば、多くの場合は今いる人材の力+ITの力で比較的簡単に英語を使ってビジネスができるようになります。さらにこの外部人材の力を継続的に用いることによって社員の英語力向上も同時に図れるため、立ち上げ時期に多少のトラブルが出たとしても、それほど時間をかけずに是正することが可能となります。 

そこで決定的に重要になるのが、海外の環境ビジネスでどのくらいの売上を見込むのかという経営方針と、そのための営業努力について、いつまで何がどの程度求められるのかという見通しです、これがないと仕事をエンドレスに計画しなくてはいけないこととなり、英語もどこまで上達すれば良いのかわからない状態が続くため、担当する社員はモチベーションが非常に保ちにくくなります。 

時あたかも、循環型経済というタイトルでリサイクルビジネスに関するISO規格が検討されていたり、気候変動対策に2兆ドルもの資金が動くとの観測もある等、環境ビジネスにとってはまたとないビジネスチャンスが広がっています。 

他方で日本企業にとって人手不足は業界を問わず共通の制約条件となっています。海外市場の開拓に成功している会社でも必ずしも人材がいるわけではないという現状を踏まえ、「現在の人材でどこまでやれる?」という棚卸をしっかりと行うことこそ、機会を逃さないために経営者が今取るべき施策なのです。

 

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