モノからコトへ・・・はもう古い!?「モノ×体験×デザイン」の時代へ〜KIRINの事例から〜
2018年あたりからアメリカより聞かれるようになったECビジネスの新潮流、「DtoC」=Direct to Consumer。自ら企画、製造した商品をどこの店舗も介すことなく自社のECサイトで直接顧客へ販売するビジネスモデルです。
製造メーカーの直販、さらにECでということになるので、販売会社のOEMやPBをECで販売することとは少し異なります。
さらに今のビジネスシーンでホットな「サブスクリプション」。これはご存知の方も多いでしょう。製品やサービスを一定の価格で月額や年額で提供するビジネスモデルですね。
このDtoCで、サブスクリプションのサービスを大手ビールメーカーKIRINがやっているのをご存知でしょうか?
サービスの内容は、家庭に専用のビールサーバーを無償提供(貸出し)して毎月2回、1Lのビールを2樽送るというもので毎月8,100円(税込)が定額料金です。
缶ビールに換算すると、約2倍の値段の高さにも関わらず毎回募集の度に応募多数。大成功している・・・のですが、まだまだ各メディアには大きく取り上げられていません。
なぜか?
どのくらい利用があるのかが当初想定できなかったことや、途中でサーバーの欠陥が見つかったりで無理には押し進めず着実に進めてきているので、売上2兆円を超える超大企業のキリンにとってまだ会員数3,500人、売上3億円のこの事業はまだまだインパクトのあるものではないためのようです。
しかし、製品供給の体制が整い、製品の改善がしっかりなされて、潜在顧客がもっと沢山いることが把握できれば、一気に押し進めてくる可能性は高いでしょう。
このキリンホームタップというサービスのコンセプトは、日経Xトレンドの記事によると「ニュー・ビア・エクスペリエンス」。価格だけ比較すれば、同じ量でも缶ビールと比較して倍以上の価格になる。既製品とは異なる新しい体験の提供ができて、初めてその対価を消費者から支払ってもらえる。その価値とは工場直送のビールを「誰でも簡単に」自宅で味わえること。まさしく、新しい消費体験を意識して開発されたサービスだ。とのこと。
要約すると、できたて・つくりたての感動、感激を自宅で簡単に味わえることです。
キリンホームタップ ECサイトはこちら https://hometap.kirin.co.jp/
サイトをご覧になればよく分かりますが、体験もモノと同時であることも伺えますし製品のデザイン、Webデザインもその体験と消費者のライフスタイルを刺激するデザインで表現していることも見逃せません。
決して大企業だからこそ出来たサービスや製品ではないはずです。表現するデザインには相当の費用が掛かっていることは、著名デザイナーの起用からも伺いはしれますが、近いことはどんな企業でも出来るはずです。
モノづくりを行う製造業、中小企業において製品を生み出すことは当然得意です。そこに消費者のライフスタイルを意識したサービスと、その製品やサービスをデザインで表現していくこと。
「モノ×体験×デザイン」
これこそが、どんな会社も目指すべきブランディングの姿であり、マーケティング=販売活動に大きく繋がっていくものです。
今回ご紹介したキリンの事例のように、超大企業の取り組み方に対していきなりは難しいかもしれませんが、自社なりの「モノ×体験×デザイン」での新たなビジネス展開はこれからの時代、ますます求められていきます。
こういったことに挑戦する中小企業を当社ではギフトや通販を通じてデザイン面までしっかり支援していますので、ウチも取り組むぞ!という積極的な経営者の方は、ぜひご相談ください。
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