コンビニと通販物流
コンビニ商圏は500メートルしかない。このように狭いエリアに限定されるコンビニと、全国をくまなく商圏とする通販との本格的なアライアンスが、にわかに動き出した。
その火付け役となっているのが、物流企業である。とくに日本郵便やヤマト、佐川急便といった大手物流とコンビニ、そしてネット通販大手との提携は、利便性を高めて顧客を囲い込む上で、不可欠な戦略となってきている。
たとえば佐川急便グループとローソンは、6 月に新会社を設立。コンビニを拠点にする宅配サービスで業務提携し、首都圏を皮切りに全国で順次展開していく見通しだ。さらに御用聞きシステムを取り入れて、ローソンの弁当や日用品などのコンビニ商品の注文を受けるサービスも開始するという。
また日本郵便と楽天は、楽天市場で購入した商品を、東京都内の25カ所の郵便局が設置した受け取り専用ロッカー「はこぽす」で受け取れるようにし、自宅での受け取りが難しい共働き世帯や単身者のニーズをすくい上げる狙いだ。
一方、アマゾンはヤマト運輸やローソン、ファミリーマート、ミニストップの店頭で商品を受け取れるサービスを拡充しており、とくにローソンでは、昨秋からアマゾン商品を店頭端末から注文できるサービスも開始している。
これらの取り組みは、超高齢化と働く女性の増加により膨らむ利便性の高い宅配需要に応えるもので、ドライバー不足や再配達コストの低減にもつながるはずだ。
消費者が「いかに便利に買物ができるか」「いかに早く商品を手にすることができるか」を共有テーマに、生活インフラ化している“コンビニ”と“通販”の機能を最大限に生かすためのアライアンスが、いま業種の垣根を越えて広がっている。
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