中小企業ほど集中と選択、独自商品化で道を開くべし
昨日は新元号「令和」の発表で大いに沸いた1日でしたね。 毎年4月1日は入社式も始まり、入園式、入学式もいよいよ始まります。 日本という国にとって、桜も咲き誇る4月1日という日は春の訪れとともに1年の区切りという意味では、元旦に次ぐ意味を持つ日ではないでしょうか。
そんな中、ギフトの世界も新しい動きが出ました。
今やギフト業界のリーディングカンパニーとなったカタログギフトのリンベル社が、銀座にリアル店舗をオープンさせました。このリンベル社の躍進を支える強みとはなにか? 中小企業にとってリンベル社の経営の何がヒントなのか?
一般的には馴染みのないギフト業界といわれる業界は、ギフト需要の多い百貨店業界を示すものではなく、ギフト専業会社を指します。さらに言いますと古くからの "ギフト問屋" と言われるような会社を指します。
そのギフト問屋の最大手といえばこれまではシャディ社でした。シャディは、全国にサラダ館という独自のギフト販売フランチャイズチェーンという仕組みを業界で初めて構築し、契約店舗数が3,000店を超えるほどに発展させ、他社の追従を許しませんでした。
カタログギフトを業界内でいち早く開発し定着させたり、今では当たり前となったお中元・お歳暮での宅配無料なども先駆けていました。他にも多数のギフト問屋が今なおありますが、ギフトFCを大きく展開しているのはこのシャディだけです。
しかし、当初は新しいスタイルであったギフトFCや主力のカタログギフトも他社の追従や、時代の変化とともにシャディ社は徐々に苦戦を強いられるようになり、そんな中でも躍進を続け、今もなお成長を続けているのが、カタログギフトに特化しているリンベル社です。
3月25日には、銀座に新業態の「リンベル ギフトブティック」を3月28日にオープンするというプレスリリースがありました。カタログギフトの陳列だけでなく、オリジナル商品も初めて本格的に店頭でも販売し、オリジナルのラッピングサービスやメッセージカードも充実しているとのこと。近いうちに足を運んでみたいと思っています。
リンベル社は2017年に年商600億円を超え、益々の成長を続けています。その成長を支えている他社の追従を許していない点は、徹底的にカタログギフトの中身、質にこだわり、品質の良さを全面に打ち出している点でしょう。
リンベル社のカタログギフトの商品交換の仕方だけをとってみても、複数の商品と交換できたり、カタログそのもののデザイン、包装紙、ショッパー、メッセージカードなども、洗練されつつ上質感や高級感に溢れたデザインが施されており、中身の商品も百貨店に見劣りしないほどの有名ブランドが多数掲載されています。
ですが、有名ブランドを単に沢山掲載していることだけが強みではありません。
山形県からスタートした同社が山形の地元産品を軸にしたオリジナル商品の開発や、全国各地の老舗とのコラボ商品、ヨーロッパ直輸入の食品や雑貨などの独自商品が、なんといってもリンベル社の大きな強みなのです。
ギフト業界では、旧来は先述のシャディが大きく先行していて、リンベル社は後発でした。
後発だからこその追いつけ追い越せの精神で、カタログギフトに集中特化し、オリジナル商品の開発も進め磨きをかけていった結果、今ではギフト業界のリーディングカンパニーになっています。
どんな大きな会社も、最初から何百億、何千億の売上があった訳ではありません。
このリンベル社が行ったように選択と集中、魅力ある独自商品の開発・拡充というのは、特にリソースの限られた中小企業がビジネスを拡大していくにあたって、大いに当てはまることではないでしょうか。
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