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売れる営業マンと売れない営業マンの決定的な差とは。

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

「当社の強みは、競合の追随を許さない技術を使った商品開発で、今回の商品は…」

先日、営業効率を高める策を練るために、現状を知るべくクライアントの営業マン全員に、自社の強みを発表してもらいました。

 現状の営業活動の中身が丸見えになる「棚卸」になり、とても有意義でした。 

1ヶ月かけて、営業マンの皆さんには、まとめ上げてもらっていたのですが、わかりやすい程雲泥の差がハッキリと明確に。

何がわかりやすいかって、「営業成績」と「自社の強みの認識度」の相関関係が露骨に見えてしまったのです。 

これには、私の隣で聞いていた社長も、苦笑い。 

アタリマエのことを、バカにしないでちゃんとやる。

営業マンの意識の徹底も、例外ではありません 

トップセールスマンは、顧客と対話をしているのが、映像に浮かぶほど「具体的な言葉」を持っています。

反対に、成績が芳しくない営業マンは「言葉が抽象的」。

プレゼンを聞いていても、対話のイメージが全く湧きません。 

前回のコラムでは、「細部にこだわる事が大事」とお伝えしましたが、これは営業でも同じ事がいえます。 

具体的な言葉は、相手の頭に映像を浮かばせます。

その映像が「話の信ぴょう性」へと繋がり、買い手の感情を刺激していくのです。 

たとえば、「超軽量かつ、高い強度を持つ素材」を販売している営業マンがいたとしましょう。 

売れない営業マンは、そのまま抽象的な言葉で顧客に自社商品の強みを説明します。

「当社の素材は、非常に強度が高く、かつ軽量にできた素材です。技術的には」と。 

どうでしょう。

頭の中に、何かの映像が浮かびましたでしょうか?

おそらく、言葉だけが脳みその中にスルッと入ってきて、そのままスルッと出てしまったのではないでしょうか? 

それでは、売れる営業マンは、どの様にセールストークを組み立てるのでしょうか?

当社の素材は、競合商品と比較し120%の強度、30%の軽量化だったとの試験結果を経て、ボーイング777に採用されまた。弊社は無名企業ですが、先方の技術部門の方が、東京大学で軽量素材の研究をされていた様で、弊社のアプローチに強い興味を抱いてくれました。おかげで評価テストまでこぎつける事ができたのですが」と  

話に具体性が伴っています。 

どうでしょう。

頭の中に映像が浮かびましたでしょうか?

少なくても「固有名詞」であるボーイング777や東京大学という言葉が出た瞬間に無意識的に映像が浮かんだはずです。 

セールスやマーケティングの世界では、脊髄まで浸透させなければいけない原理原則があります。

それは、そもそもお客様は、

「あなたの話を聞きたくない」

「話の内容を信じられない」

「今すぐ行動する必要を感じない」

つまり、「聞かない、信じない、行動しない」というメンタルブロックが働くという現実を常に忘れずにいなければなりません。 

この「聞きたくない」「信じられない」という買い手のメンタルブロックを外すには、相手が聞きたくなる様な「話題」で、その話に「真実性」が宿っている必要があります。 

聞きたくなる話題は、相手の興味はどこにあるのか?を観察し、色々とボールの投げる中でアタリをつける他ありません。 

そして、あなたの話に真実性を宿らせるためには「具体性」が必須不可欠なのです。

島田伸助さんの著書「自己プロデュース力」の中で、自分たち(紳助、竜介)は、先輩芸人の横山やすし・西川きよしや、オール阪神巨人らと比較し「俺らは下手」「言葉の説得力違うからお客さんを笑わせられない」と自己分析し、こんな努力をしていたそうです。 

「昨日、心斎橋で歩いていたら1万円落ちててん」と先輩芸人が言うと、お客さっは「へぇー、落ちてたんや」と思う。 

でも、俺らみたいな当時名も無い若造ふたりが言っても「所詮ネタ」と思われてしまう。 

これは、営業でも同じです。

ベテランや売れる営業マンは言葉に説得力があるけど、そう出ない人には言葉に説得力がありません。 

では、どうするか。

紳助さんの書籍に戻って彼らの努力を見てみましょう。 

「どうやったら信じてくれるか、必死で伝えるしかない。一所懸命必死で異常なくらい必死で伝える気持ちが絶対に不可欠」 

それプラスα、リアリティのある一言を添える。 

「昨日歩いててん、そしたら1万円がピッターっと印刷されたみたいにひっついてけど…」みたいな「犯人しか知らない事実」があれば、人は信用するんです。 

と、自分たちの漫才にお客さんを引き込む努力をしていました。 

そもそもお客様は、知らない人の話なんて「聞きたくない」「信じない」が前提になって、どうやったら「聞いてもらえるか」「信じてもらえるか」を必死に考えていることがわかります。 

これは営業活動でも、見込客を集めるためのマーケティング活動でも、全く同じことが言えます。 

自社の強みを語る上で、「相手の頭に映像が浮かぶほどの具体的な言葉」をどれだけ持っているか。 

この差は、歴然となって売上に現れてきます。 

相手が興味を抱いてくれそうな「話題」を具体性のある言葉を持って話せるか。

そもそも、その話題をどうやって「仕入れ」をするか? 

それは「現場」にしか転がっていません。

もっと言うと、その転がっている言葉は、顧客や非顧客の頭の中にしかありません。

その頭の中にあるものを引き出すには 

大前提として「相手(お客さん候補)を好きになる必要」があるのです。 

世の中は、「好かれる方法」ばかりが説かれています。

「好かれる方法」を消費者が求めているから、その様な情報ばかりが氾濫するわけですが、どうも私には違和感があります。 

成果を出している営業マン。

儲かっている事業。 

全ておいて、相手を好きになっている人や企業が成果を出しているのが現実です。 

だから、本来は「好かれる方法」よりも「好きになる方法」の方が大事なはず。 

相手が興味を持ってくれそうな「話題」を提供できるか。

話す内容を信じてくれる様な「具体的な言葉」を持っているか。

結果として、相手の頭に「映像」が浮かばせることができるか。 

全て「相手目線」であり、相手を好きになることで、自然と努力ができるはずです。

ぜひ、自社の営業スタッフに自社の強みを書かせて見てください。

御社の営業スタッフは、具体性のある言葉を用いて、聞き手の頭に映像を浮かばせることができましたでしょうか?

 

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