「先延ばし」で、お金を生む。
From ノグチ
都市銀行相談室の会話から
「あの時は、なんとかしなきゃ思って、、、誕生日が来るから。誕生日が来れば、保険料が上がる、損をする、そう思ったのよ。」
どうやら先走りすぎたな~、と心配になった若い女性経営者から依頼があった。
一緒に銀行行ってほしいと。
手もとにお金が入ってきた。
受け継いだ事業資産から得た収益だ。
大切に扱いたい。
親族の想いがこもっている資産だから、そこで得た収益は、次の世代へ引き継がせたい。
優秀な人が陥る、「優秀だと言われたい」ワナ
そこへ銀行支店長から親切な言葉が…
「それなら、この金融商品ですよ。お金がたまるし、もしもの時には保険金でご家族を守れる。3億!!」
主婦として家族を支えていた。
父親の商売も手伝った。
夫の実家の商売も手伝ってきた。
だが、3億は目にしたことがない!
いつでもお金の出入りは、仕事としてやってきたが、普段の仕事は、100円からせいぜい数百万円の出入り。
そこに急に親族からの提案で、自分がお金の判断の当事者に。
数千万円のお金のやり取りを目に、これは大変なことだ!
なんとかこの事業を成功させないと、、、
後継者としていい仕事をしたと言われたい。
そう不安だった。
銀行から?いえ、銀行に高い評価を置く親族から、、、
優秀な人は、仕事先延ばしににしない。
確かに、間髪入れずに答える人、手早く処理ができる人は、確かに優秀です。
裕福な社長ほど、「先延ばし」する。
でも、超裕福な人ほど、素早く物事を決めてはいない。
私は知っています。
お金持ちほど、お金に敏感な触覚を持っている人ほど、支払を先延ばしにする事を、、、
税は繰り延べる。
大量注文は、絶対にいろいろな見積もりをとってから。
大口の支払は、一晩も二晩も先送りにする。
理由はシンプル。
「気持ちが変わるから」
「状況が変わるから」…予期せぬ事態が起きるからです。
税の繰り延べは、日常茶飯事。
儲けたお金をもっと有効に使うには、今までと違う投資先をみつけたい
投資先には、自分の会社の商品もあれば人財もある。
派生して増えていく取引先もあります。
投資先は、いろいろ出てくる。
そして、毎日新しい事件が起きて来る。
事件はやはり起きた。
「カルロス・ゴーンは何故失敗したか?」
新聞は、為替の失敗も大きな要因と指摘している。
あ、これ 私の契約にも同じ不安がある!
誕生日だからと慌てて銀行と契約したモノのの、為替の不安まで解消出来ていなかった。
裕福になるオーナー社長は、8割大丈夫と確信出来ないうちに、見切り発車してはいけません。
そう、大きなお金の支払いは、「実験」「お試し」と割り切れる範疇ではない。
支払の先延ばしは、優秀な経営者になるための試金石です。
なにせ、どう美味くお金を使えるか。
社長の確信を磨く時間を確保する、それが「先延ばし術」です。
―ノグチ
PS.
会計事務所時代、イヤなオーナー社長がいました。
「まただよ~、あの社長は気が変わったからって、また決算書も申告書作り直しだ~。」
ところが、過去の数字を見ている私達より、決算日から2ヶ月後今の状況を見ている社長の判断が正しいと思えることが何度もありました。
その社長さん、個人でも10億、会社でも10億以上持っていました。
先延ばしにできる判断は、社長の力です。
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