社員が考えることができない原因と対策
「社員が考えることができない」先日、相談を受けた、ある社長の言葉です。
仕事柄、長く下請けや受注形式を続けてきた受け身型企業の方と接することが多いのですが、こういった企業では、「ある力」が顕著に失われているのを強く感じます。
それは、経営うんぬん言う前に、会社が会社であるために、あるいは、人が人であるために、絶対に欠かせない「ある力」なのですが、長く受け身を続けた企業には、それが失われています。そのため、いざ、自社で何かをやろうとすると、まず、そこで壁にぶつかって前に進むことができません。
この多くの受け身企業から失われてしまった力、会社が会社であるために、人が人であるために、欠かせない力とは、いったい何だかわかるでしょうか?
その力とは、「考える力」です。
この考える力は、会社として、自ら何かをやろうとしたとき、人が自ら何かの行動を起こそうとしたとき、必ず必要になる大切な力です。ところが、長く受け身だけを続けてしまうと、この何をやるにもその基礎となる「考える力」が確実に失われてしまいます。
繰り返します。「失 わ れ て」いくのです。
こう言うと、「うちには、優秀な社員が居ないから、もともと考える力が無かったんだ」と反論される方が居ます。しかし、人は、生まれながらに等しく「考える力」を持っています。ベースとなる考える力は、みんな持っているのです。そもそも、考える力を持っていることこそ、人が人たる所以です。
問題は、その力を伸ばしたかどうかです。考える力の強い社員は、その力を鍛え伸ばしたのであり、そうでない社員は、考える力を使わずに、いつしか衰えさせてしまったのです。
こう考えると、社員が考えることができない本当の原因が見えてきます。
それは、社員に原因があるのではなく、考えさせてこなかった、考える力を伸ばしてこなかった経営にこそ原因があるということです。考えなくても良い、受け身の環境を与えておいて、「社員が考えない」と嘆いても問題は解決しないのです。経営者は、社員のことを嘆く前に、考えなければならない理由と環境を用意し、それを社員に与えなければなりません。
誤解しないでほしいのですが、考える環境を与えるとは、単に「考えろ」と指示を出すことではありません。考えなければならない状況を作り、考える時間を与え、考えを促すことです。
そして、より重要なことは、どんな小さなことでも良いので、社員自らのちょっとした考えや提案には、きちんと耳を傾けて聞くことです。社員が考えることに関心を示すことです。
そして、さらに重要なことは、その考えを、あるいは考えたことを「ほめる」ことです。
考えることが役に立つ、自分の考えが役に立った、考えたら成功できる、そういうふうに思えたときに初めて、社員は自ら継続して考えるようになります。そして、考えることで考える力がどんどん養われていくようになります。
経営者は、間違っても次のようなセリフを言ってはなりません。
「考えている暇があったら、目の前の仕事を早く終わらせろ」
こんな雰囲気では、考える力は、永久に失われてしまいます。
御社は、社員に考えさせていますか?
社員の考えを「ほめて」いますか?
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