何であの人と同じ給与?
店舗ビジネスにおける人材育成の要素に欠かせないものとして、「給与」があります。何を当たり前のことを!とおしかりを受けそうですが、これができていない店舗は非常に多いのです。
何ができていないのかというと、すべてにおいて「適当」なのです。給与の決め方はもとより、昇給や報奨金、賞与など経営者自身の思うがまま、基準もルールもなく、ただの行き当たりばったりで、ここでも「社長の鶴の一声」が大活躍をします。
スタッフからすれば、一体何で給与が上がったのか?…一体何で給与が上がらないのか?…そもそも何で給与はこの額なのか?…疑問は尽きません。そしてこの疑問に答えられる経営者は非常に少ないのです。なぜなら……特に何も考えていないからです。
給与の額も人材育成の仕組みの一環として、一体的な運用をしなければ、仕組みも何も機能しません。給与は仕事のレベルと連動しなければならず、そうでなければ必ず優秀なスタッフからやめていきます。何で私の給与と入ったばかりで何もできないスタッフの給与が同じなのか…どう考えても納得できないからです。そしてきちんと評価をしてくれる店舗に簡単に移ります。
こうならないためにも、まずは仕事のレベルを体系的にまとめておく必要があります。そのためには、仕事を少なくとも店舗別、担当別、曜日別、時間別などで分け、仕事の内容を時系列でもれなく記述し、さらにはそれを初級、中級、上級といった段階でレベル分けし、マニュアルおよびチェックシートを作成し、誰が見ても納得ができる状態で透明性を確保しておかなければならないのです。
「そんなに細かく分けても運用ができないでしょう…」という声が出てきそうですが、まずは基準やルールがあることが大切です。そこを起点に、地道に浸透させていくことが唯一の近道であり、最初からできないといっていたら、できるものもできなくなります。
レベルをしっかりとまとめると同時に、そのレベルに対する給与額を決めていきます。これは最も基本的なことであり、スタッフのモチベーションにもダイレクトに影響を与えます。お金がすべてではありませんが、ここができていないと絶対にスタッフは続きません。
小さな店だからと甘えていては、この人手不足の折、スタッフはやめていくばかりです。そして残る利益も考えずに時給を上げ、使えないのに時給の高いスタッフばかりとなってしまいます。そうなると悪循環で、店舗は崩壊への道をたどります。
店舗経営者の皆さん。
スタッフのレベルを客観的に評価できていますか?
給与の額はどうやって決めていますか?
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