カウンセラーの共感力の弊害とは!?
「フツウの人はいないんですか?」
この言葉は以前、私のカウンセリングを受けに来ていた中学校の先生から発せられたものです。
先生がお勤めの学校では、毎年のようにスクールカウンセラーが変わるようです。
そして冒頭の言葉は、そのスクールカウンセラーを評してのことだったのです。
カウンセリングの技術はここでは置いておきますが、先生とカウンセラーとの意思の疎通が全く上手くいかず、考え方も融通がきかないということで先生は嘆いていました。
さて、この先生の嘆きの大元になっている原因はいったい何だったのでしょうか?
それは・・・
すでにタイトルにもありますが「共感力の弊害」です。
共感力の弊害って、どういうことか?
カウンセラーは、カウンセリングを学んでいる時、あるいはカウンセリングの臨床経験を重ねる過程で、通常ではあまり聞けない壮絶な話、倫理観が欠如している話を聞くことがあります。
一般的には、ドン引きするような内容でしょう。
でも、カウンセラーは平然と話を聞く姿勢が整っているのです。
相手を否定せず、丸ごと受け入れることを意識して訓練しているので、一般人よりも共感力が優れています。
そのこと自体はいいのですが、一方で共感力の弊害が出ていることも見逃してはいけません。
それは、《一般的な感覚がマヒ》しているということです。
マヒしている一つの証拠として、カウンセラーが作ったホームページやメルマガを読むと心理用語が満載だったりします。
本人に聞くと、「え、コレって心理用語だったんですか?」と驚く人が多いです。
それだけ一般の感覚がわからなくなっているんですね。
冒頭の学校の先生は、わけのわからない心理用語を用いて会話してくるカウンセラーに辟易していたということです。
心理用語だけならまだマシです。
壮絶な話や一般的とは程遠い考え方をしているクライアントに共感していることで、カウンセラー自身の感覚もマヒしてくるのです。
本人が気づいていないうちにじわじわとマヒしてくるので、とても怖いことなのです。
最終的に何につながるかというと、売れないカウンセラーになるということです。
開業カウンセラーは心の悩みを抱えた人たちを集めていく必要があるのに、一般の人と感覚がズレていたら、望んだクライアントが集められないのです。
私自身、心理療法を学んでいるときに、何でも受け入れてしまうカウンセラーの共感力ってスゴイと感動しました。
それと同時に、その時はハッキリと理由はわからなかったのですが、実は恐怖感も感じていました。
理由が明確になってきたのは、4年ほど前からカウンセラーさんにコンサルティングをしてからです。
密にカウンセラーさんと付き合うことで、一般人との感覚のズレに驚くことが度々あったのです。
ホームページに書く文言、クライアントとのメールのやり取り、私との会話の中でもあきらかにズレているのです。
でも、本人はそのズレに気づいていない。
このことに気づいてもらわないと成功していかないので、一歩踏み込んで指摘することがあります。
物事をきちんと立体的に捉えておかないと、盲目的に突き進んでいるだけではおかしなことになってくるのです。
冒頭の「カウンセラーってフツウの人はいないんですか?」のようになってしまいます。
しっかりと売れ続けるカウンセラーになるためには
自分を信じてその道を進んでいくのと同時に
一般的な感覚を忘れないために、
適切に自分を疑うことも必要なのです。
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