技術者が育つか育たないかは、経営者次第
「うちには特別な技術が無く、どこにでもできるようなことしかできません。技術者が育っていないので・・・」
長年、特定の加工を続けてきた加工メーカーの経営者から、よく出てくるセリフです。
「特別な技術者がいなければ、特別な技術は開発できない。自社には、そんな特別な人財はいないので、どこにでもできるようなことしかできない。」そういった主張です。
では、技術者が育つ企業と、育たない企業とでは何が違うのでしょうか?
技術者が育つ企業には、もともと優秀な社員が集まっていたから、放っておいても育ったのでしょうか?
もちろん、そういったケースもあります。一を伝えれば十を知る、自分で課題を見つけ自ら解決していく、そういった有能な人財も中には居ます。有能な人財が集まる大企業では、放っておいても育つ、というケースが実際にあります。しかし、大多数の企業では、そんな有能な人財は、そうそう居ません。人財の限られる中小企業となれば、なおさらです。
ところが、そんな人財の限られる企業でも、継続して技術者が育ち、次々と技術を生み出すところがあります。最初は、特定の加工しかできなかったのに、どんどんとできる加工を増やし、業績を拡大している企業です。そういった企業に共通しているのは、「技術者を育てる力がある」という点です。彼らは、たとえ有能な人財が採用できなくても、育てる力を持っており、着実に人を育てていきます。
こういった技術者を育てられる企業と、育てられない企業とでは、一体何が違うのでしょうか?
まず、育てられず、ずっと「どこにでもできるようなことしかできない」と言っている企業の経営者には、ある共通した行動パターンがあります。
それは、「経営者が、自社にできそうな仕事ばかりを探してくる」という行動パターンです。
「自社には、技術が無い、技術者が育っていない、だから、これしかできない」
経営者がこう固く信じているので、そんな自社にもできそうな仕事ばかりを探してきます。
一方で、技術者を育てられる企業の経営者はどうでしょうか?
彼らに共通する行動パターンは、「やったことは無くても、今はできなくても、とにかく、これから必要になる仕事を見つけてくる」というものです。
つまり、できることだけ与えている企業では、技術者は育たず、できない仕事を与えた企業では、技術者が育ち、できるようになっているのです。
ここに見逃せない真実があります。
技術者には、本来、技術によって、「できない」を「できる」に変える力があるのです。その力は、できないことを与え、できるように求めることで育つのです。できることだけを与えていては、この力は育ちません。
技術者を育てられる企業の経営者は、このことがわかっています。わかっているから、平気な顔をして、できないことでも明日のために必要なことを技術者に求めます。
なぜ、そんなことができるのか?
彼らは、技術者の力を信じているからです。
逆に、信じることができない経営者は、どうせできないだろうからと、今日、できる仕事を一生懸命探してきて、社員に与えます。これでは、永久に今できる仕事しかできないままになります。
今できる仕事を探してくるのは、営業の仕事です。
経営者は、たとえ経験が無くても、今はできないかもしれなくても、明日必要な仕事を見極め、見つけてきて、技術者に与え、達成を求めることです。
すると、最初は、できない、という顔をしていても、最後には、できてしまいます。信じられないかもしれませんが、これは、当社が何度も目の当たりにしてきたことです。
まず、経営者が、「できる」と信じましょう。
そこからが、スタートです。
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