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中堅職層の社員を採用する秘訣

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

社員を採用する時、中堅職層(プレイングマネージャー)の採用には細心の注意が必要です。 

マネジメントが出来る社員を採用する時に、「部下を指導した経験がある」という応募者の話を安易に受け止めて採用すると、後で大きな問題を生じさせることになります。 

中堅職層とはプレーイングマネージャーです。基本的にはその組織の中でプレーヤーとして一人前になり、一般職層を卒業して中堅職にステップアップします。つまり、我が社の一般職層で合格点を取った社員が中堅職にステップアップすることになります。

ところが、他社の中堅職だった社員を我が社に採用する場合は、他社の一般職層で優秀だと言われた社員であり、我が社でも同じように優秀であるとは限りません。 

今まで同じ業種、ましてや同じ規模の会社の成長シートを、同じ期の成長塾でアドバイスをしたことがありますが、同じ内容であったことは過去一度もありません。40年間、たった一度も、です。 

その事実から鑑みても、転職前の会社で優秀であったとしても、転職した会社で優秀であるとは限りません。その可能性はあまりないのです。 

つまり、中堅職層で採用する場合には、まず我が社の一般職層の成長シートで優秀であることを確認しなければ、我が社の中堅職層で活躍はできないのです。 

まずは、中途採用したら我が社のプレーヤーの社員として優秀になれるかどうかを確認する。ここが大事なポイントです。 

そして次に、中堅職層で部下を指導する業務に取り組ませなければなりません。 

この「指導する」という点に関しては、転職前の会社と我が社で内容はあまり変わりはないでしょう。

一般職層の優秀な社員の優れたやり方を、すべての社員に共有化するという指導にはあまり違いはないためです。 

この採用のプロセスを間違えると、現在いる中堅職が我が社の優秀な社員のやり方を教えているのにもかかわらず、中途で採用した中堅職層の社員が前の会社の優秀な社員のやり方を我が社の社員に教えるという、とても厄介な問題が発生します。 

教えられる一般職層の社員は、社内で一般職層を経て中堅職層にステップアップした中堅職から現在の優秀な社員の内容を学び、中途で採用した中堅職社員から別のやり方を教わることになります。この2人に教えられた社員は戸惑うばかりです。 

我が社に2つの優れたやり方が存在する。

これでは成長はできないし、異動もできなくなります。 

中途で採用する時にはこのプロセスを必ず実施した上で本採用することです。

このことをせずに、多くの企業が中途で採用した中堅職層の社員が力が発揮できない、そればかりか組織を混乱させたという相談が後を絶ちません。 

この点は大いに注意して頂きたいと思います。

 

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