「理想の職場」づくりに成功する会社が真っ先に実施していること
「社員のモチベーションをあげたい。社員ひとりひとりの仕事に光を当て評価
したい。」
「最近、社員のやる気が感じられない。それを何とかしようと、能力のある管
理職が指導しているのだが空回りで、部下が育たない。そんな中、やっと独り
立ちをした中堅社員が辞めていってしまっている。」
「ストレスチェック後の集団分析結果によると、部下が管理職から尊重されて
いない、大切にされていないと感じているという。仕事にやりがいを見つけら
れていないようだ。」
これまでお会いしてきた経営者、経営幹部の方々の言葉です。普段から、社内
の評価制度や社内のカルチャー作りに力を入れたり、人財育成に注力するなど、
これまでにも何等かの取り組みをされていらっしゃる会社もあります。
ですが、現状はあまりうまく行っていない。そこで、「現場で何が起こっていますか?何が原因なのですか?」とうかがうと、どうも明確なお返事が返ってこないのです。しかも、現場で声の大きい社員が「こう言っている」という内容を鵜呑みにされ、「それは問題だ」と認識しているものの、実際に何が起きているのかを確かめるべく現場に赴いたり、他の社員に聞いてみるということをされていないのです。
何を目指したいのか、目指すのかが不明瞭
そこで質問を変えて、「では、どんな職場環境にしたいのですか?それにより、御社は何を目指していますか?」と伺ってみても、残念ながら明確な答えが返ってこないということがよくあります。
- 社員がやりがいを持ってイキイキと仕事をしている
- 職場でのコミュニケーションが活発である
- 管理職による部下育成がうまく行っている
という言葉が目に留まり、良い方法があればうちでも取り入れてやってみたいという「なんとなく良さそう」という考えなのです。
ですが、もともとは意識も高く、行動力もあるリーダーです。そのような方であれば、他社の成功事例を調べたり、関連本を読み漁り、自ら学習されます。そして、はやりの制度、方法、手法をすぐにやってみようとされるのです。その方法が、それが自社にあっているのか、自社で出来るのか検討されていないままの見切り発車です。
よくあるのが、焦って他社の真似をして、じっくり考えてもせずにコミュニケーション研修や、1 on 1ミーティングなど、何等かの方法を導入することです。ですが、手探りで行うため、失敗しても何故なのかわからない。
社員の動機付けに失敗
また、組織風土づくり、人材開発などの仕組みづくりは、社員を巻き込む必要があるのですが、多くの社員にとっては、業務と直接関係ない場合も多く、巻き込むには、動機付けが大変重要なのです。しかも、やる気がない社員、部下指導がうまく行っていない管理職など、本来、もっとも学んで欲しい社員に限って、変化を嫌い、新しいことをやらない、抵抗するなどということも起こります。
- なんとなく良いから初めて見る
- 流行の手法だから取り入れてみる
- 成功している企業のマネをして、とりあえずやってみる
このような考え方では、上手くいかないのです。
組織風土改革に取り組む際、まず行うべきは、なぜそれを行うのか、何を目指しているのかというゴールを決めること、それを言語化して、社員とゴールを共有することなのです。
ゴールは会社のため、社員のため、顧客のため・・
しかも、そのゴールは、会社が良くなるためだけではありません。チームのため、社員ひとりひとりのため、そして顧客のためでもなければならないのです。行き当たりばったりのやり方では、軌道に乗せるだけで多大なコストや労力を伴うだけです。社内に、社員にどんな良い影響があるのか、それがどんな形で顧客に影響していくのか。経営者ならば、そこまで考えておくべきなのです。
耳に心地よい言葉に踊らされ、なんとなく始めては失敗するということをしっかり理解しておくべきなのです。まずは自社にとっての「理想の職場」を自らの言葉で言語化する、それが社長が真っ先に取り組むべきことなのです。
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