ポジティブな経営者は信用されない?ブランド力も落とす印象操作とは
「いつもポジティブでいるのに、何故か周囲に好かれない」
こういう悩みを抱いている人は、経営者のみならず多いのではないでしょうか。
悪口も愚痴もこぼさず、常に前向きでいるにも関わらず、どうしてか周りから距離を置かれてしまう。
こういう人は、異性にもモテません。
「つまらない人」と言われ、異性が離れていってしまいます。
何故でしょうか?
ポジティブは良いことだと思われていますよね。
しかし、常にポジティブで居続ける人は、実は信頼されにくいのです。
その理由を今回は説明していきます。
■完璧主義に見え、息が詰まる
常にポジティブであり続ける人は、傍から見ると「完璧主義」の人に見えます。
例え失敗をしたとしてもそれを学びと捉え、前進していく姿は素晴らしいものです。
その一方で、機械的で人間味が乏しく感じられる。
本人は、周囲を不愉快にさせないよう、落ち込ませないよう、努めているつもりでしょう。
ですが、もし周囲が落ち込んでいるならば、最初は一緒に落ち込んでみせる素振りでも見せた方が良いのです。
人間というものは、男女問わず、辛い出来事悲しい出来事に共感してくれる人に好意を抱くものです。
ですから、周囲の感情を一旦、自分の中に受け入れると、最終的に同じことをするにしても周囲の反応は違ってきます。
例えば、大きなプレゼンに失敗した部下がいるとしましょう。
この時「次はこういう方法で頑張ろう!」と声をかけるよりも先に言う言葉があります。
それは、「今回は残念だったね。キミも頑張ったのに」と相手の感情に寄り添う言葉です。
プレゼンに失敗したなら、部下はとても悔しい思いをしています。
その気持ちが昇華出来ないまま次の話をされても、中々前には進みにくい。
部下はプレゼンまでに努力を重ねました。
その努力を認める意味で必要な言葉なのです。
この言葉で、「プレゼン失敗」という結果だけでなく、「努力」という経過も見ていると伝わります。
経過も見ていると分かったなら、安心して部下も働くことが出来るように。
失敗も成功も見ていてくれる人がいるという安心感は、働く上でのモチベーションアップに繋がりますよ。
■客観視が足りないように見える
常にポジティブな情報を発信し続ける人は、実は信頼されません。
その理由は、「客観視」が足りないと思われるからです。
人間は複雑な多面体です。
良い面もあれば、悪い面もある。
その良い面も、人によっては悪く捉えられることもあります。
悪い面も人によっては、「慎重」や「自省出来ている」と捉えてくれるでしょう。
百人いれば百通りの見方があります。
全員に対応は不可能ですが、自分自身が多面体だということを自覚していれば、ポジティブな情報だけでは信頼されにくいとお分かりいただけるかと存じます。
多面体ですから、多角的に見ていかなければならない。
その為には、ポジティブな情報だけでなく、時折、ネガティブな情報を出していく必要があります。
これにより、自己分析が出来る人と周囲に印象付けることが可能です。
客観視が出来る人ですね。
もし、これが出来ていないと「独りよがりな人」という印象を与えますから、周囲は調和を取れない人と判断し、離れていきます。
■隠し事をしているように思われる
ポジティブな情報だけを出していると、何か隠し事をしているのではないかと勘繰られることもありますよ。
身に覚えはありませんか?
結婚記念日でもないのに、奥さんに「綺麗だね」「いつも有難う」など口にすると、浮気を疑われたということ。
これと同じことがビジネスでも起こり得るのです。
自社の商品、サービスを売り込む際、持ちうる限りの素晴らしい言葉を並べ立てる営業さんがいますが、実は相手は聞いていません。
相手が聞きたい言葉は、商品やサービスの素晴らしい点ではないのです。
目の前に座ってくれた時点で商品やサービスに興味は抱いています。
つまり、良い部分は理解してくれているのです。
これからは、それ以上の情報が欲しい。
つまり、社員しか知らない「ここだけの話」が聞きたいのです。
相手は、商品やサービスの秘密を明かしてもらうことを期待し、目の前に座っています。
よって、ここでいくら綺麗な言葉を並べ立てても意味がありません。
ですから、ここは思い切って、商品やサービスの悪い部分を話すのが吉です。
といっても、シャレにならないことを言っては商談が壊れます。
笑えるレベルのものを話すと、相手とグッと距離が縮まります。
開発裏話なども喜ばれますよ。
■あなたのブランド力を高めるのは周囲
良かれと思ってポジティブな自分を演出されていた人は、今後、少し改めてみてください。
その「良かれ」はあなただけが信じているものです。
あなたの周囲は、あなたが思うあなたの姿と同じものを見ているとは限りません。
その「良かれ」が人によっては、とても不快であることが往々にしてあります。
それを少なくする為にも、多角的に、客観的に自身を見ていくようにしなければなりません。
そうすることにより、自分の得手不得手クッキリと見えてくるでしょう。
あなたのブランド力を決めるのは、あなた自身ではありません。
あなたの周囲です。
演出するジブンではなく、どう人に映るかも考えて行動していきたいものです。
最後まで読んでくださり、有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
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