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「手段思考型マネジメント」と「目的思考型マネジメント」の成果の違い

SPECIAL

ホスピタリティビジネスコンサルタント

ザ・ホスピタリティチーム株式会社

代表取締役 

「お金になるホスピタリティビジネス」構築の専門コンサルタント。ホテルやウェディングビジネスのみならず、異業種のホスピタリティを軸とした新ビジネス立ち上げも指導。

私は日々、違う組織に伺って、組織力の最大化に向けたサポートをさせていただいておりますが、成果を生む組織と生まない組織の違いの中に、

「手段思考型マネジメント」と「目的思考型マネジメント」の違いがあります。

この「手段思考」と「目的思考」との大きな違いは、リーダーがメンバーに対してマネジメントの中で仕事における「手段」を主として伝えているのか、「目的」を主として伝えているのかの違いです。

先日もあるホテルスタッフのセッションで「仕事の目的とは何ですか?」という質問をしました。

すると、

「給料を稼ぐ為」

「家族を養う為」

といった回答が得られます。

一見、ごもっともな回答なのですがこれらは手段であり目的ではありません。

何故ならば、私もホテルマンでしたので分かるのですがお世辞にも給料が良いという業界ではありません。

給料を稼ぐのが目的であれば、もっと違う仕事、業種のほうが稼げるからです。

では、仕事の目的とは何でしょうか?

それは、各スタッフの「何故、この仕事をしているのか?」の解であり、自分の仕事における「喜び」「やりがい」が直結していると考えます。

では、自分の仕事の喜びとは何でしょうか?

ある介護福祉士は「寝たきりのおばあちゃんが、自分で歩けるようになった時」、

ある看護士は「入院患者が回復して退院する際に笑顔で本当にお世話になりました!」と言われた時、

あるウェディングプランナーは「新郎新婦に〇〇さんに担当していただいて本当に良かった」と言われた時、

あるシェフは「お客様に料理を残さずに召し上がっていただけて、また来ます!」と言われた時。

このような回答が得られます。

これらに共通しているのは、この仕事の喜びは「自分の喜び」ではなく、「他者(お客様)が喜んでくれるのが自分の仕事の喜び」に繋がっているということです。

もっと分かり易く言えば、仕事の目的とは「人のしあわせに貢献すること」です。

この事をリーダーが理解しているか、この事を軸にスタッフに対するマネジメントを実践しているかで成果は大きく変わります。

手段思考型マネジメントをしているリーダーは、

「売上を上げろ」

「残業を減らせ」

「経費を削減城」

といった仕事の手段を主とした指示、命令を部下に伝えています。

そうすると、部下は当然給料をもらう為にも、自分の評価を上げる為にも会社の期待に応えるように行動しますが、「真の力を発揮するにはほど遠く」、こればかりになると部下の精神的に疲弊し、モチベーションも生産性もあがりません。

一方で、目的思考型マネジメントをしているリーダーは、

「お客様にどうしたらもっと私たちがお役に立てるか」

「お客様のしあわせだけではなく、仲間のしあわせの為にもひとりひとりがどのような行動を取るべきか」

「自分たちがしあわせになる為に、もっとお客様をしあわせにしよう!」

となります。

ある企業では「売上」とは言わずに「社会貢献額」と言っています。

それは、会社の売上ではなく、社会に対する貢献度、影響度を表している値と位置付けて、「もっと社会貢献しよう=売上を上げよう!」としているのです。

このようなことからも「手段思考型マネジメント」と「目的思考型マネジメント」、どちらが成果を生むのかは明らかだと思います。

ある調査では、世界の労働者に対して「熱意を持って仕事をしているか?」というアンケート調査を行ったところ日本は6%という低い数字だったそうです。

それだけ、スタッフの熱意、力を引き出せていないというのが現状です。

しかし、「熱意」は「労働生産性」に直結しており、生産性を上げる為にも、如何に自分の仕事が、この社会の中で意味があり、人の幸せに貢献できていることを従業員ひとりひとりが自覚した時に従業員は凄い力を発揮します。

そして、一緒に働く仲間のしあわせに貢献することも仕事の目的であることを理解させて、新人であれば自分が成長することで先輩を助けることができる、お客様にもっと喜んでもらえる、上司であれば部下をしあわせにすることで、その幸福感がお客様に伝わり、より顧客満足度だけでなく従業員満足度向上にも貢献できる。

この目的を軸にしたリーダーの思考、部下への言動に一貫性を持たせることが重要です。

これからの時代は従業員に対する「金銭的報酬」と「精神的報酬」が融合するマネジメントが必要であり、特に精神的報酬が重要な時代となります。

それには、仕事の目的、この仕事の喜びややりがい、人のしあわせに貢献することは精神的な報酬に繋がり、そのような環境で仕事ができることが定着率にも繋がります。

あなたの会社は、

「手段思考型マネジメント」ですか?

それとも「目的思考型マネジメント」ですか?

 

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