第133号:一流の経営者は市場を絞る、二流の経営者が市場を広げる
ニーズが多様化している現代において市場選択はとても重要です。
私はいつも、成功の鍵は市場選択が8割だといっています。自社にとって最も強みが発揮できる市場に絞り込んで戦うことで、自社の持つ力が最大限に生かされるのです。
市場を勘違いしていると、ついつい他の業界がよく見え、他の業界に進出したいという気持ちになる!?
私も指導の現場で「あなたにとっての市場とはどんな市場かを思い浮かべてください」と尋ねることをしていますが、すると、自社の業界をイメージする方が多いのです。続いて、自社の業界は縮小傾向にあり、未来に希望を持てないという話になっていきます。しかし、人口減少が進む日本ではどの市場も縮小傾向にあります。
市場を勘違いしていると、ついつい他の業界がよく見え、他の業界に進出したいという気持ちになります。時には他の業態への進出が必要になる場合もありますが、まずは既存市場で成功するためのビジネスモデルを構築することが重要です。なぜならば、どの業界も成熟しているので顧客の「リピート」「口コミ」「紹介」が起こるビジネスモデルの構築ができなければ長期的な繁栄を見込むことができないからです。
データ分析で市場選択している会社は、本当の市場を見ることができない!?
市場とは自社の業界のことではなく、自社が対象とする消費者、顧客のことです。全てのビジネスは顧客の問題解決です。どんな問題を持った人たちを対象にするかということは、自社の市場を明確にすることと同様なのです。
そしてその問題とは顧客の「不安」「不満」「不便」「欲求」です。自社は顧客のどんな問題を解決するのかを明確にすることで顧客の心をつかむための活動が明確になります。
顧客の問題を明確にするために、まず対象顧客をたった一人まで絞り込んでいきます。このたった一人をペルソナ(最重要顧客)と言います。顧客の問題解決を追求することで高い顧客満足を実現でき、価格競争から脱却することができるのです。そうして収益性も高まっていきます。
しかし、データ分析で市場選択している会社は多いです。
データから市場を見るなら、今ならこれから伸びる市場と考えられるのは「高齢化市場」や「インバウンド市場」です。しかしこうした成長市場にはたくさんの競合が参入し、あっという間に成熟してしまいます。また、それが自社の強みが発揮できる市場とは言い切れません。
また現状の顧客の中で最も多いお客様を分析し選択することもあります。しかし、現状抱えている顧客層があるとしても、価格の安さで選ばれているとするならば、その顧客に自社の価値は届いていません。
どんなお客様たちが本当に重要顧客なのかということを、もう一度見直してみる必要があるのです。
画像引用:photo AC
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