三英傑に学ぶモチベーションの上がる賞与の与え方、一番求心力があるのは誰?
「ボーナス代わりに社員旅行をしたのに喜んでもらえない」
このような悩みを抱いておられる経営者さんはおられるでしょう。
賞与を与えたのに、イマイチ喜んでもらえず、盛り上がりもしない。
社員さんたちは決して喜んでいないわけではありません。
でも、思っていた賞与と違っていた為、盛り上がりに欠けてしまうのです。
かといって、社員さん本人に何か希望があるわけでもありません。
そうなると、頭を抱えてしまいますよね。
この悩み、あなただけではありませんよ。
古今東西の経営者、政治家の悩みでもあります。
今回は、戦国武将の賞与の与え方を学び、現代に生かせる方法を探っていきましょう。
■三英傑、信長・秀吉・家康の性格
戦国三英傑といえば、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康です。
天下統一を目指し、多くの武将を家臣に持ち、奮闘してきた三人です。
何かと比較されやすい三英傑ですが、有名なのがホトトギスの歌ではないでしょうか。
信長:鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス
秀吉:鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス
家康:鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス
これらの歌は後世の人の創作ですが、それぞれの性格がよく分かるものです。
信長は気が短く気難しい性格。
秀吉は好奇心旺盛で独創的。
家康は忍耐強い。
信長は気が短いですから、短期間で成果を上げる部下を好んでいました。
秀吉が信長に重用されていたのは、とにかく仕事が早いからです。
墨俣の一夜城が、秀吉の早い仕事で有名ではないでしょうか。
秀吉は一夜城をどうすれば造れるだろうかと、考えて実行する程、
探求心と行動力がありました。
鳴かないホトトギスを鳴かせる方法も考え付くでしょう。
家康の忍耐強さは他を圧倒します。
何があっても耐える。
頭を下げるところでは下げ、地固めを続けました。
この彼らの性格を踏まえて、彼らが与えた賞与を見てみましょう。
■それぞれの賞与と効果の持続性
信長は何事もスピーディに行いたい性格です。
賞与もスピーディ。
いつも腰に金子の入った鹿の革袋を下げ、家臣が功績を上げると、その場で金子を渡していたそうです。
細かい計算はせず、革袋に手を突っ込み「ハイ」と渡す。
秀吉の賞与は、当時の流行だった茶の湯の道具です。
この道具を使い茶会を開けば、より一層、秀吉と交流が深められます。
家康は独特です。
名前を賞与にするのです。
これは、家臣だけではありません。
一般庶民に対しても、功績があれば与える。
以上が三英傑、それぞれの賞与です。
お金が一番かかっているのは、秀吉ですね。
しかし、秀吉の死後、加藤清正や福島正紀など武断派の家臣は、徳川家に寝返りました。
茶の湯を嗜まない家臣からすると、茶道具は無用の長物だったのです。
信長の賞与は金子ですから、誰もが喜ぶと感じるでしょう。
ですが、金子は使ってしまえばなくなってしまいます。
また、細かい計算をせず賞与を与えていますから、家臣の中には不平不満を抱いていた者もいました。
家康の賞与、名前を与えるというのは不思議な気がされると思います。
それでも、とても効果のある賞与なのです。
何故なら現代に残る子孫ですら、その名を誇りに思っているからです。
名前には各々エピソードがあります。
龍を一緒に見たから「龍見」、またとない功績だったので「又内」などなど。
何かしら家康と思い出深い出来事があったからこそ、名前を貰っています。
ですから、自分の名前の由来を誰かに話せば、家康と懇意だと分かるのです。
名前を貰うということは、名誉をいただくと同時に、家康という後ろ盾を得るも同じことだったのです。
■家康の賞与を現代風に
三英傑の中で一番効果的な賞与を渡していたのは、間違いなく家康です。
彼が亡くなって400年ほどですが、今も尚、家康に貰った名前は生きています。
これを現代風にしていきましょう。
現代なら肩書でしょうね。
部長や課長のポストは空いていなくても、新たな肩書を作る。
肩書がつくと、例え部下がいなくとも、責任感が生じます。
この責任は会社全体に対する責任感です。
新しい肩書きがつくと、気分も一新されます。
また新たな気持ちで仕事に臨むようになります。
肩書を付けるのに、費用はほぼかかりません。
名刺を刷り直す代金ぐらいでしょうか。
それだけで、社員さんの会社に対する責任感が倍増します。
小さな会社では既に実践しておられるところが多いですね。
平社員は新入社員だけで、他は全員肩書がついている会社、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
対外的な意味もあるでしょうが、やはり社員さんそれぞれのモチベーションを上げる効果を狙って行っているところが殆どです。
■あなたならホトトギスをどう鳴かしますか?
先に挙げた三英傑のホトトギスの歌は、家臣の扱い方だとも捉えられます。
モチベーションが下がっている家臣をホトトギスになぞらえた。
あなたなら鳴かないホトトギスをどうしますか?
ちなみに、松下幸之助は「鳴かぬなら それもまた良し ホトトギス」と詠んだと言われています。
高度成長期を支えた偉人ならではの歌ですね。
モチベーションは、生きがいとも言い換えられます。
もし、社員さんが今いる会社で生きがいを感じられなくなったら、すぐに転職してしまうでしょう。
そうならない為にも、社員さんのモチベーションを上げる方法を常に考えていきたいものです。
最後まで読んでくださり、有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
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