ホスピタリティでビジネスを成功する視点『ホスピタリティの体系化Ⅱ』
前回、ホスピタリティでビジネスを成功する視点として、ホスピタリティを体系化することで、他社との差別化、顧客満足度向上により、ビジネス効果を生み出す。その視点として『やり方』よりも『あり方』を問う。というお話しをさせていただきました。
スタッフ自身がお客様にとって『どうありたいか?』を明確にすることにより、自分のミッションを明確に持ち、お客様に自分の提供するサービスを約束するというものです。
今回は、ホスピタリティを体系化する視点で次に大切なことを紹介させていただきます。
それは『目的の共有』です。
前回はスタッフ個人でしたが、今回はチーム(企業)全体の話しです。
この仕事の目的は何か?
何の為に私たちは働いているのか?
この事が明確になっていないと、ただ漠然と過ごしてしまいます。
ホスピタリティは基本的に相手主体の考え方です。従って、それは経営者にとってみれば、社員の幸せ、お客様の幸せ、社会の幸せ を意味しています。
まずは、それが明文化されたものがあるか、社員に浸透していることが重要です。一般的には、それは経営理念やコンセプトのようなものかもしれません。
しかし、それを読み上げることはしていても、行動、言動にまで落とし込めているか
どうかという視点では、不十分な企業がほとんどです。
例えば、あるクライアント企業様の行動指針で『気持ちの良い挨拶』という言葉が記されているのですが、『気持ちの良い挨拶』とはどんな挨拶かの基準は具体的に決められていません。従って、社員によって受け取り方も行動も違います。
この企業様はそういったことをスタッフ全員で話し合う場を設けて、『気持ちの良い挨拶』の基準を決める取り組みを実施しています。
はじめは、みんなそれぞれで『明るく、元気な挨拶』、『目を見て笑顔で挨拶』、中には、『朝からそんな元気な挨拶できない。』といった声まで聞こえてきました。
そして最終的に合意された基準を決めました。
それは『気持ちの良い挨拶』=『ひまわり挨拶』
太陽とひまわりの関係のように、挨拶する側もされる側もその方向をきちんと向いて、エネルギーの交換をしようというものです。素晴らしいですよね。
この企業様は朝礼の際にペアを組んで大きな声でひまわり挨拶を実践しています。ここまでやって、はじめて体系化されてきます。このようにホスピタリティの体系化はマニュアルではなく、それぞれの考え方や価値観の基準を決めて、この基準に向けた取り組みを実施していくことです、
従って新しい企業文化を創るといっても過言ではありません。
このような取り組みは一見遠回りのように見えるかもしれませんが、目先の施策よりも、 社員同士の絆や、チームとしてのエネルギーが増幅するので結果的には、この時代を生き抜く上で非常に大切なファクターとなります。
自企業が何を目指しているのかという目的を共有し、それをみんなで考える時間、機会を作り、具体的な行動・言動まで落とし込むことができてはじめてホスピタリティの体系化となります。
ホスピタリティの体系化は、他ではマネできない差別化になりますし、付加価値での差別化は大いにこれからの時代のチャンスにつながります。
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