社員の不平・不満が人事制度の品質を100%にする
人事制度は会社が作成して、社員に説明します。そのため、社員から意見を聞くことはありえないし、説明後に変更することは皆無です。
そのために、今までの人事制度を導入した経験のある経営者からすれば、驚きとしか思えないようなことを成長塾でアドバイスしています。
それは、人事制度を導入したら社員からあらゆる意見を聞いて、対応することです。
我が社のすべての社員は、我が社で活躍したいと考えています。
我が社で成長したいと考えています。
その成長の確認をするために評価をします。
入社した社員が簡単に優秀な、たとえば80点以上の成長点数を取ることはありません。
通常は10年以上かかります。
毎年少しずつ成長して、その成長点数を重ねていきます。
万が一、その成長点数が納得できなかったら、社員はこの会社で40年も継続して成長することは無理です。
毎日一生懸命やったことが評価されないと分かったら、社員は成長を止めます。それはどの企業でも同じです。
そのために、構築した人事制度を運用する段階で、社員から不平・不満と思えるものも含めて質問があったら、全部聞かなければなりません。
ただし、その質問のうち80%は誤解です。
なぜならこの人事制度を作った経営者は、社員の成長、そして物心両面の豊かさ、そして社員の幸せを考えている経営者です。
社員をダメにしようと考えていることはありません。
不公平に評価しようとは考えていません。
そのため、質問を受けながら社員が様々な点で誤解していることに気づくでしょう。
そして、説明を聞くことで社員は理解ができます。
ただし、社員の質問の中には20%程度、経営者が考えていなかった問題点が見い出せることがあります。
それは素直に見直しが必要です。
たとえば1日30万円の売上のお店と、100万円の売上のお店と、500万の売上のお店があったとします。
それは売上高が期待成果としての評価の対象であれば、売上高は高い方が良いに決まっています。
ところが、これは本当にその店長または社員の力によって売上高の違いがあるのでしょうか。それに納得できないという日商30万円の店長が質問してきたら、それに応えなければなりません。
実はある会社の経営者は、売上高で昇給・賞与を決めてはいませんでした。
売上高は、客数と客単価のかけ算で算出されます。
客数の違いは店長や社員の力ではなく、立地によって違うことが分かっていました。
そのため、この会社の経営者は客単価で評価していたのです。
おおむね小売業の店長は、異動を嫌がります。
特に立地条件の良いお店に配属された店長は、異動を嫌がります。
しかしこの会社のように客単価で評価している会社では、店長は異動に反対することはありません。
もっとも、すべてのお店を経験してない人が次の管理職にステップアップして店長を指導する立場になることはできないでしょう。
このように人事制度を変更をしながら運用していくと、いつか社員から不平・不満はなくなります。この時に人事制度の品質は100%になります。品質が100%になったら、社員はこの会社を辞めることはなくなります。
人事上の問題は、多くの場合「臭いものに蓋」です。
解決をせずに放置されることが多いのです。
しかしすべての人事上の問題を解決する会社に勤めた社員は、この会社の素晴らしさをますます感じ、この会社に全力で人生をかけることになるでしょう。
定着率100%の会社になることは間違いありません。
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