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そもそも社長の情報発信は誰に向かってのものなのか―「情報発信」は、外部、内部、さらに自分自身に向けたものである―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

さて、私はこれまで経営者の行なう「情報発信」の重要性について、長い間様々な角度から論じてきました。

いま改めて、その「情報発信」がいったい誰に向けてのものなのか、根本から考えてみたいと思います。

私は普段、SNSを駆使したり、地方のメディアを上手に使って自分の事業に関する「情報発信」を大いに行なうべし、と、そのことの本質やテクニック的な部分まで含めてコンサルティングを提供してきました。

こういった点を表面的に捉えれば、「情報発信」というのは、顧客及び顧客候補者を含む外部のマーケットに対するものと考えることができます。

もちろん、「情報発信」というのは、まさにそのことを指しており、それで間違いはないのですが、先述したようにそれでは表面的な捉え方にすぎません。

それでは「情報発信」はいったい誰に向けたものなのでしょうか。

第一義的には、外部のマーケットに向けたものであることは間違いありません。「情報発信」は、まさにそのために実践しているのであり、そこを外れては意味がないのです。

しかし、経営者が行なう「情報発信」に関しては、もう一つの方向性を忘れてはいけません。

それは、社内のスタッフに対するものでもあるということです。

いくら、外に向かって社長がそれまでに考えた、とっておきのコンテンツを発信してみても、そのことが同じ組織内の人間に理解されていなければ、その説得力は半減します。社長の発信する情報は、それを初めて聞く外部の人間より手前の段階で、こちら側のスタッフには共有されている必要がありますし、その理解度は外部の人間よりも深いものでなければおかしい、といえるでしょう。

しかし、このことは意外に難しいものです。日々、ルーチンの仕事をこなすことに忙しい社員に、社長が発信するすべてのコンテンツを把握し理解しておくように、というのはそれほど簡単なことではありません。自分の書いたブログやコラムを全社員にすべて目を通しておくように、というのは、トップの立場でもなかなか言えないのではないでしょうか。

実現する具体的な方法としては、幹部社員には必ず目を通しておくようにと伝え、彼らからその部下に伝えてもらうようにすべきでしょう。ただしこれでは、知るタイミングが、ブログやコラムの一般読者と何も変わらないことになります。なにもコンテンツ通りそのまま話さなくてもいいので、ミーティングや朝礼などを通じて、普段から自分の考えや方向性など、よく伝えておくべきだろうと思います。

社長の「情報発信」が、一般の読者や聴取者と同レベルにしか社員に理解されていないとすれば、それは問題です。同じ組織の中の人間である社員は、もっと身近でもっと深いよき理解者であるべきです。また、そうでなければいくらいい「情報発信」をしていても、その効果は半減します。

せっかくの「情報発信」、できれば組織的な理解を得たうえでのものにしたいものです。

さて、ここまで社長の「情報発信」は、社外に向けてだけでなく社内に向けて行なうということも意識すべし、と、書いてきましたが、もう一つ大事な対象があります。

それは、「情報発信」は自分自身に向けてのものでもある、ということです。

「何を奇異なことをいうのだ!」と思われるかも知れません。「情報発信」を行なっている当の自分自身に向けて行なう「情報発信」なんてあり得るのか?!と。

これは「常に問題意識を持つ」と、いうことをお伝えしたくて言っているのです。

何か一つのテーマに関して、コラムなりブログなりラジオなりで「情報発信」を終えたとします。終えた直後は、それはそれで、一見完結したように見えるかも知れません。

しかし、よく考察してみれば、すぐそれに続く新たなテーマは発生しているものです。

形として、外に向かって行なった「情報発信」というものは、常に自分に対して新たな課題を突き付ける「起点」ということもできるのです。

そういう意味では「情報発信」は、自らに向かって発したものでもあるのです。

「情報発信」を継続的に長く実践していくには、一度行なった「情報発信」をよく吟味し、反芻することで新たな「情報発信」につなげていく、といった考え方が重要といえましょう。

さて、ここまで述べてきましたように「情報発信」は、ただ、外部に向かって行なうだけの行為ではありません。その対象は、組織内部や自分自身にも及ぶと考えるべきなのです。

「情報発信」は、外部に向けたものであり、内部に向けたものでもあり、さらに自分自身に向かけたものである、と理解することで、その内容に厚みが増すことになります。

そういった厚みのある「情報発信」は、それを聞いたり読んだりした人への影響力も強く、こちらが狙った効果を大いに発揮していくものといえるでしょう。

社長は自らの行なう「情報発信」について、今日、私が書いてきたような点を意識して実践してみてください。

同じ「情報発信」でも、今後その効果に次第に大きな違いが出てくるはずです。

 

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