面接は誰がやる?
店舗ビジネスに限った話ではありませんが、企業としては人材の採用に関し、その際の「選考方法」をしっかりと設計しておく必要があります。「選考方法」とは、求める人材を詳細まで言語化した採用基準を中心に、筆記試験の有無及び試験内容、面接回数、面接時の質問内容、面接担当者、採否ラインを決め、それに基づいて運用していくことです。
小さな店舗ではなかなかここまではできない(必要ない)ことも多々ありますが、店舗が2,3店舗を超えてくると、それまでのように社長が適当に面接し、そのあとは現場に丸投げする体制では店舗レベルの向上は期待できません。というよりも下手をすると会社崩壊の危機につながります。
したがって、店舗数では2,3店舗、人員数では10人前後となる会社については、「選考方法」を仕組みとして運用することが会社を成長させる重要なカギとなります。今回は選考方法の中でも特に重要な面接及び面接担当者についてお話していきたいと思います。
面接に関しては、最初から最後までそのすべてが重要であり、詳細まで立ち入ると軽く本が1冊書けるほどのボリュームとなります。よってその中でも最重要事項である面接時の質問内容について触れていきます。
皆さんも経験あると思いますが、私はよくチェーン系カフェで面接している場面に遭遇します。そのやりとりを聞くともなく聞いていると、随分適当な印象を受けます。一応事前に考えてはいるのでしょうが、思い付きで意図が不明な質問も耳に入ってきます。また、担当者が一方的にしゃべりまくっていることも多く、そもそも面接の体をなしていない場合も珍しくありません。
面接時には必ずチェックシートや質問用紙を用意し、それを見ながら、記入しながらやるべきです。履歴書だけを見て思い付きの適当な質問を繰り返し、何も書かない、記録に残さないのでは、内容はもちろん、ノウハウも貯まらず、属人的で不安定な選考が続いていくことになります。
この点、自社の採用基準を明確に言語化しておけば、ほぼ自動的に面接時の質問内容やチェックシートなどは出来上がります。ですので、選抜方法を設計するには質問やチェックシートから作るのではなく、もっと上位概念である採用基準、さらには店舗理念をはっきりと言語化することが不可欠なのです。
また、面接担当者について重要なことを挙げるとすれば、店舗ビジネスでは面接時に必ず店長を同席させるべきだということにつきます。店舗のトップである店長は、私に言わせれば経営者そのものです。店舗のスタッフを採用するのに、経営者である店長の視点が無いことは致命的な欠陥となります。自分が任されている店舗のスタッフを入店初日まで知らないのはナンセンスであり、言語道断です。
店長が選考過程を共にすることで、採用者に対しての責任感も増し、育成にも力が入りやすくなります。また採用者側も事前に上司を知ることが安心感となり、定着率にも大きく影響してくるのです。
さて、店舗経営者の皆さん。
「選考方法」をしっかりと設計、運用していますか?
店長を面接に同席させていますか?
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