反省をいくらしたって業績は上がらない!今年、鍛えるべきはメタ認知
「前回の失敗を反省して改善したのに……」
こう嘆く経営者さんは少なくありません。
過去の失敗を踏まえ、改善に改善を重ねておられます。
でも、なかなか上手くいかない。
この理由、分かりますか?
答えはとても簡単です。
「反省」しているからです。
何故、「反省」は良い影響をもたらさないのか?
これを、今回は記していきます。
■反省は人間から自信を奪う
日本人は「反省」が好きです。
これがあったからこそ、現代の繁栄があるともいえます。
学校教育の中でも、しばしば教師から反省を促される場面がありましたよね。
自らを省みて、改善をしていく。
自分を律する為に、必要だと教えられてきている筈です。
ですが、反省ばかりしていたら、どんどん自信が失われていきます。
反省は自分の悪い部分をクローズアップして考えますよね。
これを続けると、「自分には良いところなどない」と思い込むようになるのです。
自信が失われると、画期的な商品やサービスの開発がしにくくなります。
良いと思うものでも、受け入れてもらえる自信がなかったら提案できません。
どうしても、守りに入ってしまう。
結果的に伸びる力が失われます。
現在の低迷している日本をご覧いただくと、この現象が起きているとお分かりいただけると思います。
景気は上向きになっているものの、依然、心躍る新商品や新サービスは生まれにくい環境です。
反省ばかり行ってきた弊害です。
■洗脳の手法でもある「反省」
反省が人間から自信を奪うことは、先述しました。
恐ろしいことに、自信が失われると自己も喪失してしまうのです。
自己が失われると、自分の意見や意思がなくなり、誰かの言いなりになってしまいます。
ですから、洗脳にも用いられています。
例えば、カルト教団でよく行われているものに、「自己批判」というものがあります。
教団によって言い方は様々ですが、やり方は同じです。
仲間の前で「反省」を発表するのです。
自分の悪いところを述べさせ、自分が如何に矮小な人間かを仲間の前で宣言。
その上で、教団の唱える「正解」に近づく為の努力をするのですから、自分の考えなど失われて当然です。
カルト教団でなくとも、反省会を繰り返している会社でも起きている現象です。
ワンマン社長さんの会社では多いですね。
ご本人にそのつもりはなくとも、結果的に社員さんを洗脳しています。
当然、このような会社ではイノベーションは起き難い。
社内にそのような空気がなくとも、個人で反省を繰り返している人も危険です。
自分で自分を洗脳。
この場合、自分より権威のあるものにすがるようになります。
その「権威」が正しいか間違っているかも考えずに……。
■反省よりもメタ認知の強化を
メタ認知という言葉をご存じでしょうか?
心理カウンセリングなどでよく使われる言葉です。
「メタ」とは「高次」という意味。
メタ認知は、今よりも高い位置から認知するということです。
客観視とも言い換えられますが、最も近いのは「自分の俯瞰」でしょうか。
この場合、俯瞰ですから、自分の悪い部分だけでなく良い部分にも目を向けます。
ここが、反省との大きな違いです。
悪い自分ばかりをクローズアップせず、良い自分も同等に見る為、ポジティブな解決策が浮かんできやすくなります。
例えば、プレゼンがいつも上手くいかない人がいるとします。
この場合、何故、上手くいかなかったのか、自分を取り巻く全てから原因を探ります。
喋り方なのか資料なのか、それとも相手に聞く気がなかったのか。
それらを客観的に分析。
そこに反省の入る余地はありません。
とてもシステマティックです。
もし、これが反省であれば、もう一人の自分に罵倒されているようなものです。
俯瞰であれば、もう一人の自分にアドバイスを貰っている状態です。
どちらが建設的か、もうお分かりですよね?
反省をするのは、もう止めてください。
これからは、自分の俯瞰、メタ認知の強化が重要です。
■反省のし過ぎで自信がなくなった人に
服を買う時、自分に似合う服を店員さんに選んでもらうことがあるでしょう。
私も時々ありますよ。
自分では普段選ばない色の服が、意外とピッタリくることがあり、これが楽しみで店員さんに選んでもらうことも。
なかなか、本当の自分というものは、自分では分からないものですね。
これはビジネスにも起きることです。
他人から見える自分の役割は違う。
その上、反省のし過ぎで自信が失われていたら、正しい自分の役割など分かりっこありません。
経営者さんの場合、この認知のズレが業績に関わってきます。
本当はもっと多くの人に役立てる商品やサービスがあるにも関わらず、反省の繰り返しで小さくしかアピール出来ていない会社を見るにつけ、とても寂しい気持ちになります。
もっと自信を持って欲しい。
もし、自分の良いところが自分で分からないなら、お声をかけてやってください。
私があなたの素晴らしい部分を見つけます。
人間は一枚の紙きれではありません。
複雑な多面体です。
自分以外の視点で見ると、また新たな一面が見つかりますよ。
最後まで読んでくださり、有難うございました。
あなたの一日が素晴らしいものでありますように。
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