人事制度は成長シートに始まり、成長シートに終わる
私が人事制度の構築の支援をするときに、最初は成長シートの作成から始めます。
自社の強みは、自社に優秀な社員がいることです。
この優秀な社員が優秀である理由は、自社の変化する経営環境に適応して成果を上げ続けていることです。
残念なことは、その優秀な社員がなぜ優秀なのかをほとんどの会社は知りません。そのため、効果の少ない社員教育をしている会社が多いのが実情です。
大切なのは、我が社の優秀な社員をモデルとして成長シートにまとめ上げ、それを全ての社員の成長のゴールとして示すことです。
全ての社員は優秀になりたいと思っています。
だからこそ、この会社で頑張って仕事をしています。
ところが、そのゴールが明確になっていないため、無駄な努力をしている社員が組織の中に8割います。実は、この無駄な仕事をしているために、組織原則2:6:2が生まれてしまうと言っても過言ではないでしょう。
その成長シートをつくるところから全ての経営者はスタートします。
経営者でなければならない理由は、経営者は最終的に鉛筆ナメナメ本当の評価を決め、昇給・賞与を決めているところにあります。
つくった成長シートの運用を始め、そしてこの成長シートから算出された成長点数で処遇を決めることになります。
最終的に簡単に昇給・賞与を決めることができます。
社員から全く不平・不満の出ない昇給・賞与を決めることができます。
そこまで到達した経営者が
「こんなに簡単に昇給・賞与を決められるとは信じられなかった」
この発言をしながら次に語ることはまた同じです。
「やはり成長シートをしっかりとつくり上げることが人事制度の肝です」
昇給・賞与をたくさん出してあげたいと思っている経営者だからこそ、この発言になります。
社員を成長させるためには、この成長シートを社員の成長のために役に立つ形で可視化しなければ社員は成長することがないことが分かるからです。
そのように語って、より分かりやすい、より使いやすい成長シートを目指すことになります。
立派なものをつくる必要はありません。
社員の成長に貢献するつくり方でつくること。これが大切です。
そしてまた成長シートの見直しをし、今まで以上に社員の成長のスピードが上がり、もちろんその結果として業績が向上した時にその経営者の労は報われたと言っていいでしょう。
日本には、社員の成長、物心両面の豊かさを望み、そして幸せにしたいという経営者が存在することが日本の強さだと私は信じます。
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