売上アップする会社は、年末年始をどう過ごしているか?
2018年の年末年始は、曜日の並びもあり、9~10連休の会社が例年より多いのを実感しています。
この休みの時期に、一般スタッフに、あれこれ課題を与えるとブラック企業と言われかねない昨今です。しかし、取締役クラス以上が、ここ2~3年「まずまず」だったから、来年も「そこそこ」と考えていると、足元をすくわれかねません。
2019年は、英国のEU離脱に加え、消費税10%や働き方改革の傾向強化が控えています。さらに2020年以降に必ず生じるアベノミクス終焉と東京五輪以降の景気鈍化を考えれば、今から動くかどうかで、確実に差が出てくるからです。
本日は、長年継続して業績好調を続ける中小企業が年末年始を、どう過ごすかについてお話します。
2018年冬は、東証一部企業の平均賞与が統計によりますが、76万円または96万円と、数字だけみれば、過去最高水準の好景気といえます。
しかし、かつての好景気との最大の違いは、その恩恵が中小企業とそこで働く社員にまで行き渡らないことです。
その証拠に、2018年冬賞与は金融機関による5人以上の民間企業の統計でいえば、39万円であり、事業規模が5~29人の事業所では業種によっては、マイナスもありという結果です。好景気と言われても、日本全体でいえば、実感がないのも当然かもしれません。
ここで重要になってくるのが、発想の転換と、年末年始の過ごし方です。
もし、「景気がよくなれば、わが社の業績も少しは…」と少しでも考えているならば、既にこの数年間は歴史上まれにみる好景気を過ごしたのを再確認すべきです。
そして、その好景気は終焉が近づいており、早ければ来年後半から陰りを見せるだろうし、遅くとも2年後(2020年後半)には必ず転換期がやってくることをふまえて、2019年初頭からどう動くかが重要ということです。
中小企業の経営者は、どうしても日々の仕事に集中せざるを得ないため、中長期的な検討や、1年を振り返ってじっくり反省や検証をする時間をとるのが難しいものです。
ゆえに、業績好調な会社は、少なくとも経営者だけは、年末年始などのまとまった時間を利用して、その点を補完しつつ会社運営を行っているのを、数多くみてきました。
一番まずいのは、そんな好景気なのに、わが社は厳しいと後悔することです。
サービス業など一部を除けば、ビジネス上の動きが全くないこの時期に、後悔して余計なストレスがかかれば、深酒やヤケ酒で体調にまで影響するかもしれません。それに比べれば、きれいさっぱり仕事を考えず、遊び倒すほうが、頭の中がリフレッシュできるだけ、効果的かもしれません。
早晩、やってくるであろう日本全体を覆う不景気は、いつやってくるか正確な時期は誰にも読めません。しかし、人口減少+税金UP+好景気が史上最長で続くのを考慮すれば、必ずやってくるのだけは予知できることなのです。
そこに向けて年末年始に練って過ごすか、あるいは、景気が更によくなるのを願って寝て過ごすか、それは経営者自身が選択するものなのです。
2018年は本コラムをご愛読いただきありがとうございました。2019年もよろしくお願いします。良い年の瀬をお過ごしくださいますよう…。
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