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社長に必須の“たった一つの能力”とは

SPECIAL

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント

代表取締役 

 指導暦12年。オーナー企業を中心に約170社の指導実績をもつ経営コンサルタント。独自の『業績3年 先行管理』の手法を通じて、中小・中堅企業が持つ属人的な稼ぐ力・育む力を、再現性の高い仕組みに進化させる。この仕組みは、人間の特性を活かしたものであり「社員が自ら動き出すようになった」「管理の弊害が少なくなった」「目標達成が当たり前になった」と多くの経営者が注目している。

二流の社長は、勝ち負けにこだわる。一流の社長は、勝率アップにこだわる。

「それで、受注はできたのか?」

目の前に、歯切れの悪い報告をする営業部長がいる。 

ふと気がつくと、机をコンコンと叩いていた。まるで右手の指先が意思を持っているようだ。この癖を直さねばと思いつつ、ついやってしまう。社長は、結果が気になる生き物である。 

主要得意先の主力製品。現在は、我が社の部品が採用されおり、自社の粗利額トップ3に入る重要な案件に育っていた。来期は5~6年に1度のフルモデルチェンジの年。得意先はコンペを開き、技術革新と原価低減を目論んでいる。 

提案をするのは、我が社と競合他社を含む5社。次回も受注できるかどうか。勝負どころである。最終プレゼンの場には、社長も同席していた。いまさら、提案の背景や営業部長の気持ちを聞くまでもない。 

「それで、受注はできたのか?」 

歯切れの悪い営業部長。話を遮り、質問をする社長。早く結論を知りたいだけである。

■1.売上高が全てを癒す 

企業は、単なる仲良しクラブではありません。ゴーイングコンサーン。将来に渡って事業を継続するという前提を持っています。継続するためには、利益を出し将来に向けた投資をしなければなりません。この利益の源泉は売上高です。売上高が全てを癒す。オーナー経営者、特に創業経営者は、この重要性を動物的な感覚で理解しています。 

その一方で、管理畑出身のサラリーマン経営者や、業績が安定している企業の後継者は、経費削減に走る傾向が見られます。しかし、どれだけ経費を削減しても、ベースとなる売上高がなければ話になりません。 

売上高が全てを癒す。これは真実です。 

  
 

■2.勝ち負けにこだわる社長 

もし、あなたが冒頭の事例の社長だったとしたら、どうしますか? 

・商談に勝ったのか、負けたのか。
 ・受注できたのか、失注したのか。 

最大の関心ごとを、今すぐ確認したくなるのではないでしょうか。 

サラリーマン時代の小島は、この重要性を十分に認識しておりませんでした。受注よりも大切なことがある。提供する価値、顧客への貢献など、とにかく中身の方が重要。「良いものを提供すれば顧客はやってくるものだ。」と職人気質で物事をとらえ、受注活動を軽視していました。 

そして、受注にこだわる社長や事業責任者を見て、軽蔑していました。提供する価値よりも受注活動に専念している。この姿が、私利私欲に走っているようにしか見えなったからです。 

独立して5年。ようやく社長の気持ちが分かるようになりました。提供する価値、顧客への貢献はもちろん大切です。しかし、受注しなければ我が社の価値を提供する場もありません。また、提供するための原資も生まれません。だからこそ社長は、受注すること、商談に勝つことにこだわる。当然のことです。 

勝ち負けにこだわらない社長は、経営者失格です。
 きれいごとだけでは会社は存続できないからです。 
 

■3.経営は、終わりのないペナントレース 

しかし、勝ち負けにこだわるだけでは、二流の社長です。

なぜなら、経営は終わりのないペナントレースのようなもの。そして、企業経営は、個人戦ではなく、団体戦。すべての試合に勝利することは、そもそも不可能だからです。

監督は、限られた選手・予算の中で結果を出さなければなりません。選手層が厚いから、予算が豊富だから、優勝できるとは限りません。その一方で、限られた選手・予算の中で優勝するチームもあります。企業経営も同様です。経営資源の大小に関わらず、業績を上げる会社もあれば、業績を上げられない会社もあります。 

それでは、優勝するチームの監督と、優勝できないチームの監督。この違いは何でしょうか? ぜひ、ご自身なりに考えてみてください。 
 

■4.勝率アップにこだわる社長 

ペナントレースで優勝するチームの監督がこだわっているもの。それは、勝率です。勝率をあげることにとことんこだわっています。 

経営者も同様です。一流の経営者は、勝率にこだわります。 

勝ち負けにこだわる社長は、勝てば喜び、負ければ叱咤激励します。負けたときこそ、原因を分析し対策を打とうとします。それでも感情が優先してしまい、精神論に走りやすくなります。勝ったときは喜び称え、ついつい慢心してしまいまうものです。 

勝率にこだわる社長は、勝っても負けても、結果に一喜一憂するわけではありません。冷静に事実を分析します。なぜ勝てたのか、なぜ負けたのか、単に原因を分析し対策を打つだけではありません。 

事実を眺め何らかの発見をし、次に活かす教訓を抽出しています。同じ事実から、さまざまなケースに応用できる教訓を抽出しています。これが、勝率アップに貢献するからです。
 

■5.社長に必須の“たった一つの能力”と 

社長に必須の“たった一つの能力”とは何でしょうか。 

  • 勝率を上げるために、必要な営業力でしょうか?
  • それとも、組織を動かす人事力・管理能力でしょうか?
  • 新しい製品・サービスを生み出す開発力、それを提供するための購買・生産管理能力でしょうか?
  • 資金をうまく活用する財務会計能力でしょうか?
      

社長に必須の“たった一つの能力”とは、 

それは<教訓抽出能力>です。 

ありとあらゆる出来事から教訓を抽出し、それを次に活かす能力です。  

この能力は、営業面で言えば、勝率アップにつながります。経営に必要なほかの側面にも、おおいに役立ちます。 

勝っても負けても、次につながる教訓を得ることができるのか。そして教訓を生かすことができるのか。これが経営者に求められる必須の能力ではないでしょうか。 
 

■6.我が社の教訓抽出能力を高めよう 

経営の難しさの一つにタイミングがあります。完璧に準備してから参入しようとすれば、チャンスを逃します。早く着手すればするほど、生の情報が手に入りチャンスが広がります。素早く行動に移さなければなりません。 

また、はじめから結果が保証されているわけではありません。やってみてはじめて分かることばかりです。だからこそ、素早く行動に移し、教訓を抽出する。そして、次に活かす。このサイクルを早く回していく。この教訓抽出能力が必要です。これができる企業が、市場を創造し、市場を制覇していきます。 

社長に必須の教訓抽出能力。この能力が必要なのは社長だけではありません。 

実は、我が社の組織にも、我が社の社員一人ひとりにも必須の能力です。 

「それってPDCAサイクルのことですか。我が社は当然の如く回していますよ。」

こう思った社長はかなり危険です。シンプルで簡単に見えるからこそ、できたつもりになっています。しかし、実際にはできていないケースがほとんどです。<完璧にはできていない>という認識が、さらに良いものを生み出すきっかけになります。

建前上の3ヵ年計画を、毎年ローリングし続ける中堅企業。合宿形式で年度方針を立案し、それで満足している中小企業。P,P,P…、PD,PD、PD…となっている企業ばかりです。ぜひ、CAの部分に注力してみてください

貴社は、どのように教訓抽出能力を高めていきますか。どのような仕組みで、教訓抽出能力を育てていきますか。ぜひ、経営の仕組みを見直してみてください。

勝負ポイントは、勝ち負けではなく、勝率。そして、勝率を高める教訓抽出能力です。

小島も日々、自身をブラッシュアップしていこうと思います。 

※追伸
弊社は、組織や社員一人ひとりが教訓を抽出し次に活かす仕組みとして【業績3年先行管理の仕組みづくり】を公開しております。興味がある経営者様は、ぜひセミナーにご参加ください。

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