同族経営者が、12月にすべきこと
「今すべき仕事とは何かね?」
「はい、資産の棚卸から始めます。そこで、オーナーに1番にお願いしたいのは、5つの基準を決めていただく事です。」
5年前12月の事だ。
オーナー会長に同族経営者として今何をすべきか問われ、「棚卸」と答えた。
T大学を卒業し国家公務員の最高位まで出世し、退職後同族企業の運営に携わった人だ。
さすがに、説明無しに、「分かった、やろう。」と答えてくれた。
大事なもの、自分にとっての「虎の子」はなに?
膨大な資産を所有する会社だが、キャッシュは少ない。
なぜなら、資産を補修するために、得たキャッシュが、ほとんど使われてしまうからだ。
大きなビルを造っても、収入は、借入返済・固定資産税・修繕補修費用・人件費に消える。
夫人から、所有する一等地を何故手放すのか?
「虎の子」を手放したら、先代に申し訳が立たない、と言われたとき、オーナーはこう答えた。
「バカ言え!虎の子っていうのは、定期預金だ!」
夫婦だって重要事の基準は違う。
何が基準か?
これが、ハッキリしないと何時までも漂流して、ゴールにたどり着かない。
なに、重要度と行ってもそんなに身構えないでほしい。
基準は、質より量だ。
自分の時間を費やされていること、より時間を使いたいことから決めればいい。
彼の答えはシンプルだった。
「何で思い悩むか、女房から言われて、カチンとくる回数が多いものを最重要にすればいい。」
頭のいいオーナー会長だ。
1番にキャッシュフロー、2番に同族から賛同を得られる、3番に地域の協力を得られる…
彼にとって理想の一日は、お金の心配をしなくてもいい一日だ。
自分の理想を実現するために、所有する資産の中から実現できる資産を、見つけだす方法、それが、「棚卸し」だ。
「棚卸」は、理想の一日を実現する第一歩
数字の表を作るのは、ノグチの仕事。
基準をもとに、優劣をつけるのは、オーナー会長の仕事。
自身の判断を基に、オーナー会長は、資産の処分切り替えをしました。
そして、理想の一日一日を過ごして、旅立ちました。
成功の法則は、自分の理想の一日をハッキリさせることから始まります。
子供の頃、小学生の私は、薄暗い押し入れの中で、誰にも邪魔されず本を読んで暮らすのが理想の一日でした。
電気のコードを引きこむので、すぐにばれましたが……。
今私は、お客様の売上データの中から「これは!」という数字を探すのが理想の一日です。
あなたにとって理想の一日は、どんな一日にしたいですか。
実現するのは、あなたのための「棚卸」です。
PS・
実家が小売店だったノグチは、子供の頃「棚卸し」が大嫌いでした。遊びたい盛りの小学生が細かな棚卸の手伝いなんて~。但し、これは売れたことにして…、お菓子が胃に入ることもありました。
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